♯390『ムッソリーニとお茶を』は、一連のシェール出演の作品では、見応えのある作品です。
1930年代のイタリアのフィレンツェで、異邦人でありながら、自由奔放に生き、人生を謳歌した5人の女性たちと、一人の孤独な少年とのふれあいを描いたヒューマン・ドラマです。1935年、イタリアのフィレンツェにレディ・ヘスター(マギー・スミス)をリーダーとする英国夫人たちのグループがありました。孤児院を脱走した幼いルカはメアリー(ジョーン・プローライト)に託され、ここで育てられ、彼女たちから愛と芸術の素晴らしさを教えられます。やがて、少年は“紳士”に成長しますが、その頃イタリアにはファシズムが台頭していました・・・
ナチスを背景とした映画は多いんですが、イタリアのファシズムの時代を背景とした作品はあまり多くないですね。この作品は、フランコ・ゼフィレッリ監督の自伝作品とのことですが、ファシズムが台頭する時代背景に物語がうまく溶け込んでいます。
♯391『恋する人魚たち』は、60年代アメリカを舞台に、マサチューセッツにやって来た母娘の、それぞれの恋愛劇をコミカルに描いたコメディです。女手一つで二人の娘を育てる奔放な母フラックス(シェール)は、今まで何度も引っ越しを繰り返し、今回はマサチューセッツの田舎町を訪れます。さっそく靴屋の店主に惚れ込むフラックスですが、一方、そんな母に翻弄されてきた長女のシャーロットも管理人のジョーに一目惚れして・・・
♯392『シルクウッド』では、シェールは主役ではありません。
核の危険性を訴え、労働条件改善を求めていた最中、謎の事故死を遂げたカレン・シルクウッド(メリル・ストリープ)の実話をM・ニコルズが映画化した作品です。事件を描く中で、シルクウッドというひとりの女性の生きざまを主軸に据えた作品です。
まだまだ、核の取扱いについて、のどかだった時代の作品という感じですね。
【映画日記92(2017.10.2〜10.9)】
下記の作品の邦題名から予告編に、原題名からWikipedia等の当該作品情報にリンクしています。
♯390『ムッソリーニとお茶を』 1998年 伊・米
監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:シェール、ジュディ・デンチ、ジョーン・プローライト、
マギー・スミス、リリー・トムリン、ベアード・ウォレス 他
10.2(月)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★★☆
♯391『恋する人魚たち』 1990年 米
原題:MERMAIDS
監督:リチャード・ベンジャミン
出演:シェール、ボブ・ホスキンズ、ウィノナ・ライダー、クリスティ
ーナ・リッチ、マイケル・シェフリング 他
10.3(火)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★☆☆☆