2017年10月08日

映画日記92(2017.10.2〜10.9)

 ♯390ムッソリーニとお茶を』は、一連のシェール出演の作品では、見応えのある作品です。
 1930年代のイタリアのフィレンツェで、異邦人でありながら、自由奔放に生き、人生を謳歌した5人の女性たちと、一人の孤独な少年とのふれあいを描いたヒューマン・ドラマです。1935年、イタリアのフィレンツェにレディ・ヘスター(マギー・スミス)をリーダーとする英国夫人たちのグループがありました。孤児院を脱走した幼いルカはメアリー(ジョーン・プローライト)に託され、ここで育てられ、彼女たちから愛と芸術の素晴らしさを教えられます。やがて、少年は“紳士”に成長しますが、その頃イタリアにはファシズムが台頭していました・・・
 ナチスを背景とした映画は多いんですが、イタリアのファシズムの時代を背景とした作品はあまり多くないですね。この作品は、フランコ・ゼフィレッリ監督の自伝作品とのことですが、ファシズムが台頭する時代背景に物語がうまく溶け込んでいます。


 ♯391恋する人魚たち』は、60年代アメリカを舞台に、マサチューセッツにやって来た母娘の、それぞれの恋愛劇をコミカルに描いたコメディです。女手一つで二人の娘を育てる奔放な母フラックス(シェール)は、今まで何度も引っ越しを繰り返し、今回はマサチューセッツの田舎町を訪れます。さっそく靴屋の店主に惚れ込むフラックスですが、一方、そんな母に翻弄されてきた長女のシャーロットも管理人のジョーに一目惚れして・・・


 ♯392シルクウッド』では、シェールは主役ではありません。
 核の危険性を訴え、労働条件改善を求めていた最中、謎の事故死を遂げたカレン・シルクウッド(メリル・ストリープ)の実話をM・ニコルズが映画化した作品です。事件を描く中で、シルクウッドというひとりの女性の生きざまを主軸に据えた作品です。
 まだまだ、核の取扱いについて、のどかだった時代の作品という感じですね。



【映画日記92(2017.10.2〜10.9)】
 下記の作品の邦題名から予告編に、原題名からWikipedia等の当該作品情報にリンクしています。

♯390ムッソリーニとお茶を』 1998年 伊・米 
   監督:フランコ・ゼフィレッリ
   出演:シェールジュディ・デンチジョーン・プローライト
      マギー・スミスリリー・トムリンベアード・ウォレス 他
   10.2(月)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★★☆

♯391恋する人魚たち』 1990年 米 
   原題:MERMAIDS
   監督:リチャード・ベンジャミン 
   出演:シェールボブ・ホスキンズウィノナ・ライダークリスティ
      ーナ・リッチマイケル・シェフリング 他
   10.3(火)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★☆☆☆

♯392シルクウッド』 1983年 米 
   原題:SILKWOOD
       監督:マイク・ニコルズ
   出演:メリル・ストリープシェールカート・ラッセルクレイグ・
      T・ネルソンダイアナ・スカーウィッドフレッド・ウォード 他
   10.3(火)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★☆

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2017年10月01日

映画日記91(2017.9.25〜10.1)

 ♯386マラソンマン』は、油が乗り切っていた頃のダスティン・ホフマン主演のサスペンス作品です。
 マラソンが趣味の大学院生ベイブ(ダスティン・ホフマン)は、恋人といるところを何者かに襲われます。やがてその事件は、ベイブを、ナチ戦犯が画策するダイヤ密輸事件へと引き込んでいき・・・


 ♯387容疑者(1987)』 は、法廷の裏側に潜む謀略をめぐって巻き起る事件に挑む女弁護士の姿を、陪審員との禁じられた恋愛を絡めて描いた法廷サスペンスです。
 米国の首都ワシントンで、司法局の女性職員の惨殺死体が湖畔で発見されます。容疑者として浮かび上がってきたのはベトナム戦争以来、耳も聞こえず口も聞けない一人の浮浪者でした。その頃、最高裁の判事が謎の自殺をします。複雑に絡み合う事件の中、担当となった女弁護士は若き陪審員の協力の下調査を進めていきますが・・・
 この作品、TSUTAYAのレンタル作品にはありませんでしたが、結構、緊張感もある、なかなか面白い作品でした。


 ♯388月の輝く夜に』は、ニューヨーク・ブルックリンのイタリア系社会の人間模様を、暖かい眼差しで描くロマンチック・コメディです。
 多くの賞を受賞し、シェールはこの作品で、アカデミー主演女優賞まで取っているんですが、あまり面白い作品ではありません。
 未亡人のロレッタ(シェール)は、ちょっとヤクザな幼なじみジョニー(D・アイエロ)のプロポーズを受けますが、彼が母の危篤で故郷シシリーへ帰る間に、その弟ロニー(N・ケイジ)と出来てしまいます。そのうち二人は・・・


 ♯389イーストウィックの魔女たち』は、♯387容疑者(1987)』で気に入って、TSUTSYAの割引セールで10枚ほどまとめ借りした、シェール出演作品ビデオの一つですが、上記と同様、あまり面白い作品ではありません。
 ニューイングランドの田舎町を舞台に、男運に恵まれない3人の熟女とその前に現れたダンディな悪魔の関係を描くブラック・コメディですが、「おもろないなあ」というのが偽らざる感想です。


【映画日記91(2017.9.25〜10.1)】
 下記の作品の邦題名から予告編に、原題名からWikipedia等の当該作品情報にリンクしています。

♯386マラソンマン』 1976年 米 
   監督:ジョン・シュレシンジャー
   出演:ダスティン・ホフマンローレンス・オリビエロイ・シャイダー
      ウィリアム・ディヴェインマルト・ケラーアレン・ジョゼフ 他
   9.26(月)/WOWOW(OD)/★★★☆☆

♯387容疑者(1987)』 1987年 米 
   原題:SUSPECT
   監督:ピーター・イエーツ 
   出演:シェール、デニス・クエイド、リーアム・ニーソン、ジョン・
      マホーニー、フィリップ・ボスコ 他
   9.27(水)/WOWOW(OD)/★★★★☆☆

♯388月の輝く夜に』 1987年 米 
         受賞:1987年 アカデミー賞 主演女優賞
      1988年 ベルリン国際映画祭 監督賞 
      1987年 ゴールデン・グローブ 女優賞(コメディ/ミュージカル) 
      1987年 LA批評家協会賞 助演女優賞
   監督:ノーマン・ジュイソン
   出演:シェールニコラス・ケイジオリンピア・デュカキスヴィンセ
      ント・ガーディニアジョン・マホニーダニー・アイエロ 他
   9.29(金)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★☆☆☆

♯389イーストウィックの魔女たち』 1987年 米 
   受賞:1987年 NY批評家協会賞 男優賞
      1987年 LA批評家協会賞 男優賞
   監督:ジョージ・ミラージョン・ランディス
   出演:ジャック・ニコルソンシェールミシェル・ファイファースー
      ザン・サランドンヴェロニカ・カートライト 他
   9.30(土)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★☆☆☆

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2017年09月24日

映画日記90(2017.9.18〜9.24)

 ♯382魚影の群れ』は、厳しい北の海で漁をする、ひとりの頑固な漁師、そのひとり娘、娘の恋人で一人前の漁師をめざす青年の三者の愛憎を軸に描いた骨太な人間ドラマです。下北半島の漁港・大間で一人で船を操りマグロ漁をする小浜房次郎緒形拳)に、男手ひとつで育てた娘トキ子夏目雅子が喫茶店を営む青年・依田俊一佐藤浩市との結婚を打ち明けます。俊一は漁師になって後を継いでもいいと言い出すが、房次郎はそんな俊一を無視し続け・・・
日本版の『老人の海』というところでしょうか。まあ、しかし、『老人の海』ほどの形而上学的な要素は感じられませんが・・・


 ♯383ウディ・アレンのザ・フロント』は、ハリウッドにおける「赤狩り」をテーマに、共産主義者というレッテルを貼られた脚本家に名前を貸したバーテンダーの顛末が描かれています。
 アメリカという国は、この作品のテーマの50年代の「赤狩り」といい、現代のトランプ政権といい、“プワーホワイト”を中心とした右翼的な思想潮流が脈々と流れているんですね。


 ♯384ウォーク・ザ・ライン』は、カントリー・ミュージック歌手で伝説的なジョニー・キャッシュの波乱に満ちた半生を映画化した感動のヒューマン・ラブストーリーです。
 ドラッグから奇跡の復活を果たしたキャッシュ(ホアキン・フェニックス)と、彼の2度目の妻となるジューン・カーター(リース・ウイザースプーン)とのドラマティックな愛の軌跡が情熱的に綴られています。
 貧しい家庭に生まれ苦労の絶えない少年時代のジョニーにとって、優しい兄ジャックとラジオから流れてくる少女ジューン・カーターの歌声だけが心の支えだった。成長しプロのミュージシャンとなったジョニーは、ある時、ツアー先でそのジューンとの共演のチャンスを得たんですが・・・
 このジョニー・キャッシュの半生を描いた作品は、一度、見たような気もするんですが、ほとんど覚えていません。覚えているのは、ホアキン・フェニックスの、めちゃめちゃ濃い顔だけですね。


 ♯385日曜日には鼠を殺せ』は、グレゴリー・ペック主演のスペイン市民戦争の後日談です。
 ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』やピカソの『ゲルニカ』を始めとして、スペイン内戦というのは、スペイン一国の内戦に過ぎないにもかかわらず、文学や芸術に多大な影響を与えていますね。
 Wikipediaによれば、原題は「ヨハネの黙示録」第6章第8節「青ざめた馬を見よ。これに乗るものの名は死。黄泉がこれに従う。」から引用されたもので、邦題は原作のタイトル“Killing a Mouse on Sunday”の訳を使用しているとのことです。そしてこの原作のタイトル『日曜日には鼠を殺せ』の由来は、Richard Braithwaite というイギリスの詩人の“Where I saw a Puritane-one Hanging of his cat on Monday For killing of a mouse on Sunday.” 「私は清教徒が月曜日に猫を吊しているのを見た。 日曜日に鼠を殺したからだ。」から取られたとのことです。


【映画日記90(2017.9.18〜9.24)】
 下記の作品の邦題名から予告編に、原題名からWikipedia等の当該作品情報にリンクしています。

♯382魚影の群れ』 1983年 日 
   原題:魚影の群れ
   監督:相米慎二
   出演:緒形拳夏目雅子十朱幸代佐藤浩市矢崎滋工藤栄一
      石倉三郎下川辰平三遊亭円楽 他
   9.18(月)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★☆☆

♯383ウディ・アレンのザ・フロント』 1976年 米 
   原題:THE FRONT
   監督:マーティン・リット
   出演:ウディ・アレンマイケル・マーフィーダニー・アイエロ
      ゼロ・モステルアンドレア・マルコヴィッチG. ジョンソン 他
   9.20(水)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★☆☆☆

♯384ウォーク・ザ・ライン』 2005年 米 
   監督:ジェームス・マンゴールド
   出演:ホアキン・フェニックスリース・ウイザースプーンジニファー
      ・グッドウィンロバート・パトリック 他
   9.22(金)/TSUTAYA 宅配レンタル/★★★☆☆

♯385日曜日には鼠を殺せ』 1964年 米 
   監督:フレッド・ジンネマン
   出演:グレゴリー・ペックアンソニー・クインオマー・シャリフ
      パオロ・ストッパレイモン・ベルグラン 他
   9.23(土)/BSジャパン録画/★★★☆☆

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