2023年02月26日

逃病日記477(23.2.26.日)

(23.2.24.金)曇り時々雨
 昨年11月の中旬ころに初めて生じた左肩の痛みについて、やっと来週水曜日に、K大病院でMRIを受けることになる。症状が出てから2ヶ月半が経過して痛みは治らないが、かといってそれほど痛みが増しているということもない。
 元々、基礎疾患(気管がん)の放射線治療の後遺症により、頸部や肩部近辺の正常組織に異和感  コルセットが挿入されているような拘縮感  があったが、そこに11月中旬ころからさらに痛みが加わった。照射治療計画がスタートする前に、放射線科の医師から、頸動脈への影響について「血管が破裂して出血するかもしれない」なんて恐ろしい話も聞かされていた。今のところ、そのような兆候はないが、様々な影響が現れ始めている。
 1年ほど前には、気管がんの経過観察の全身造影剤CTを撮った際に、声帯の右側の筋肉が壊死しているという画像診断所見が告げられた。確かに、変声している感覚があって、大きな声が出し辛くなっているような感じがあった。
 それから、右頸部が  鏡に映して見てもはっきりと分かるが  少し陥没していて、その症状が広がって、食道や気管になんらかの影響が出ないかと恐れている。
 様々な後遺症があった放射線治療だが、その治療後1年ほどで再発してしまい、最終的にはキイトルーダ(免疫チェックポイント阻害薬)の点滴による免疫療法  最初のクールでは化学療法も併用  によって腫瘍が消失した。放射線治療を回避してすぐに免疫療法をしていれば・・・、と思わないこともないが、この免疫療法は、おそらく、手術や放射線治療や抗がん剤でも効果がなかった場合の最終的な治療方法というようなプロトコルがあったんだろう。
 5年前の発がん以前は、健康保険証など、むし歯の治療以外に使ったことはなかったが、現在は、まさに「病気のデパート」か「病気の総合商社」という感じになってしまった。

(23.2.25.土)曇り時々晴れ
 今朝の朝日新聞『読書』欄で気にかかった本は次の2冊。午前中に散歩に出たときに大垣書店に立ち寄った。@は在庫がなく、Aは立ち読みをしたが、まあ、買うには至らず、という感じだった。
  @『科学者はなぜ神を信じるのか』三田一郎(ブルーバックス)
  A『女二人のニューギニア』有吉佐和子(河出文庫)

 午後からは、WBC侍ジャパンのテレビ中継観戦だったが、やはり佐々木朗希の凄さは桁外れという感じ。若干、身体的には細身で“線が細い”ような気がするがどうなんだろう。大谷選手なんかは鍛えに鍛えてマッチョといってもいいような体型になってしまったが、ピッチャーとしては、体型的にはどちらが正解なんだろうか。あまり筋肉をつけ過ぎると身体のキレが鈍る、なんて話をよく耳にするが、実績からすると大谷選手にはこれは当てはまらないようだ。
 いずれにしろ、これから1ヶ月間は楽しませてもらえる。侍ジャパンはピッチャー陣が充実している。確かに先発4人  ダルビッシュ、大谷、山本、佐々木の4投手  は安心できそうだが、二番手の投手陣が少し見劣りがするのは否めない。球数制限があるので、このあたりが“勝負のアヤ”になりそうな気がする。
 それにしても、なんで阪神の青柳投手が選ばれなかったんだろうか?実績はあるし、大リーグのバッターは青柳投手のようなピッチャーに慣れていないので有効なように思うんだが、監督の好みの問題かいな。オーバースローのピッチャーなんて、少々、球速があっても、そんなんは大リーグには腐るほどいるので、目も慣れているだろう。先発候補の4人以外のピッチャーって、二番手やクローザーを担うんだろうが、先発4人とはあまりにも差があり過ぎるように思うが・・・・・・

(23.2.26.日)晴れ
 以前は、日曜日の朝イチは『サンデーモーニング』を観てから、引き続いて『サンデージャポン』をよく観ていたが、ある時期から爆笑問題の太田のコメントがウザく感じるようになったので、他局の番組を観ていた。最近はフジテレビ系  右翼チックなので、ふだんはあまりチャンネルを回さない  の『ワイドナショー』をよく観るようになっていた。
 お笑いタレント東野幸治のMCがかなりお粗末だが、松本人志や田村淳のコメントがなかなか面白いので観るようになった。松本人志は、まあ、芸人としては天才的なヒラメキを持っているが、田村淳のコメントも切れ味がよく、なかなか頭の回転もよさそうな感じがする。ところが最近になって、松本人志がこの番組を降番したこともあるが、東野幸治の無知と教養のなさがあまりにも酷いので、観る気がしなくなってきた。それで、今日は、再び『サンデージャポン』にチャンネルを合わせたが、なぜか今日は爆笑問題の太田がおとなしかったので、結局、最後まで観てしまった。

 午後2時からは、昨日と同様にWBC『侍ジャパン』のテレビ中継観戦。ピッチャー陣はよさそうだが、意外とバッティングの方が“水もの”で、韓国チームなんかのいいピッチャーがきたら、打てないんじゃないだろうか。アメリカまで行くのが当たり前のような前評判だが、なんか、落とし穴があるよう気がしないでもない。

【今日の読書357※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字
A-42『昭和史 下』
A-43『明治大正史 上』
B-49『生物の世界』
B-48『量子革命』
E-23『自由対談』
E-24『若い読者のための短編小説案内』
F-82『ここから世界が始まる』
F-83『東京奇譚集』
G-14『失われた時を求めて14』
H-5『自省録』
I-24『読書の日記』
I-37『文学の淵を渡る』
K-24『現代小説作法』
L-8『それから』
コメント:だいぶ時間を要したが、やっとA-42『昭和史 下』を読み終えた。引き続いて、同じ著者 中村隆英氏による『明治大正史』を読むことにした。順番が逆といえば逆だが、本書自体も『昭和史』刊行後の約20年後に発刊されたもの。亡くなられた後に見つかった講義録をもとにして、その弟子筋の研究者によって編集して刊行された書。
 「B 自然科学関係書籍(キーワードは意識/脳/生命/遺伝子/宇宙/素粒子)」のカテゴリーの「生命、遺伝子」関係の書として、『利己的な遺伝子』の次に今西錦司のB-49『生物の世界』を選んだ。
 最初は同じ今西錦司の『進化とはなにか』を読むつもりだったが、その解説で「著者は、その最初の主著書たる不朽の名著『生物の世界』からの、当然の帰結として進化を問う。そして今も問い続ける。本書は、その里程を示す、一区切りの成果をまとめたもの」という文言があった。それで『生物の世界』についてAmazonで調べたら講談社文庫版があったのでさっそく注文した。『生物の世界』の元本は、なんと昭和16年に刊行され、戦後は入手困難になっていたそうで、それが昭和47年に講談社文庫で復刊されたもの。この後に続けて『進化とはなにか』を読むつもり。どちらも薄い本だが、ある意味、今西錦司の「思想の書」という感じ。
 たまたまだが、それぞれ異なるカテゴリーで、E-24『若い読者のための短編小説案内』、I-37『文学の淵を渡る』、K-24『現代小説作法』と似たような内容の本が重なってしまった。どうすっぺかな、並行して読み進めるより「一点突破全面展開」でやってみようか。

今日の映画357】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『シテール島への船出(TSUTAYAレンタルビデオで視聴)
原題:TAXIDI STA KITHIRA
製作年:1983年
製作国:ギリシャ
監督:テオ・アンゲロプロス
出演:ドーラ・ボラナキ/アキス・カレグリス/タソス・サリディス/ジュリオ・ブロージジュリオ・ブロージ
ストーリー:ひとりの映画監督が父の映画を撮ることになるが、父役がなかなか決まらない。そこへひとりの花売り老人が通りかかり、思わず後を追う監督。劇中映画と父の人生が交錯していく・・・・・・。家族を捨ててソ連へ亡命したパルチザン闘士であった父が年老いた姿で帰ってきた。かつての同志たちからも政府からも拒絶されて雨の桟橋にひとり打ち捨てられる老父。歩み寄る妻を一緒に乗せて小さな桟橋は暗い海をどこまでも流れて行くのだった。政治への望みを失った時代を語ったアンゲロプロス監督の叙情傑作。
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.7、TSUTAYAは3.54、Filmarksは3.9で、私の評価は3.0とした。
 世界的に評価の高いギリシアの映画監督アンゲロプロスの作品。各映画サイトの評価はそれなりに高いが、映像も粗く、正直、あまり面白い作品とは思わなかった。これまでも『狩人』『アレクサンダー大王』『ユリシーズの瞳』『エレニの帰郷』などを観ている。最も評価の高い『旅芸人の記録』は、TSUTAYAレンタル・ビデオの在庫枚数が1枚ということで、なかなか順番が回ってこない。キリシアの近・現代史から題材を得た作品が多いが、我々にはあまり縁の薄い世界なので感情移入しづらい、というのが正直なところ。

今日のジャズ357※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
タイトル:Montreux II
アーティスト:Bill Evans
レーベル:CTI/キングレコード
録音年月日:1970.6.19
曲名:@Introduction 〜 Very Early/AAlfie/B34 Skidoo/CHow My Heart Sings/DIsrael/EI Hear A Rhapsody/FPeri's Scope
ミュージシャン:Bill Evans (p)/Eddie Gomez (b)/Marty Morell (ds)
コメント:ビル・エヴァンス (p)の「モントルー・ジャズ・フェスティヴァル」ライブといえば、これより2年前のヴァーヴ盤が有名。そちらの人気があまりにも高いため、内容に比して本作の評価は低い。エディ・ゴメス (b)とマーティ・モレロ (ds)を得たレギュラー・トリオのこの作品にも、彼らならではの繊細さと大胆さが同居している。変幻自在な展開に、エヴァンスの持ち味と魅力が凝縮された1枚。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)
<YouTubeライブ映像>

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2023年02月23日

逃病日記476(23.2.23.木)

(23.2.20.月)曇り
 私の愛車のゴルフWワゴンも、もう何年乗っていることになるんだろうか。
 桂坂の〇〇研究センターに勤務していた頃に同僚がゴルフWワゴンに乗っていて、そのスタイルに惚れ込んで買ってしまった。シートやハンドルなども皮革仕様のかなりハイクラスなものだったので  前車が国産の大衆車だったこともあって  同僚たちから「宝くじでも当たったんか」などと冷やかされたもんだ。
 今年の車検の時ぐらいで、手離し時かもしれないが、この春頃から、特に病の方がどうもなければ、この愛車をかって日本中をドライブして周ってやろうかなんて、なんとなく想っている。もちろん行き放しではなく、例えば、九州や四国などのエリアごとに一週間程度をかけて周るというプラン。もちろんヨメさんはついてこないだろうから私ひとりで周ることになる。車中泊なども混じえて、途中、行く先々の安価な宿に泊まり、その土地の美味しい食事を摂り、なんて夢みたいなことを想っている。
 もちろんヨメさんにはまだ口外していない。ヨメさんはビビリだから、同行はしないだろうと思っている。行く先々の主だった観光地に鉄道などで来てもらって、その地で合流し、近辺を一泊ぐらいで観光し、また、帰ってもらうなんてのもいいかもしれない。
 まあ、すべては、連休のど真ん中に予定されている基礎疾患(がん)の経過観察の諸検査  5月1日に造影剤全身CT、血液・尿検査、翌2日に脳MRI  の結果次第ということになるだろう。

(23.2.21.火)雪のち晴れ時々曇り
 今日火曜日は、ヨメさんがエル・スポーツのスイミング・スクールに行く日。
 本来なら、私の方はいつものように『鬼の居ぬ間の映画鑑賞会』ということになるが、今日は、3月にドイツから帰国する娘一家の次男  当方にとっては下の方の孫  の保育園の入園オリエンテーションに出席した。
 場所は、荒神口の京都地方法務局の南側のW保育園で長男も通っていた同じ保育園で、川端丸太町の娘宅からは歩いても10分もかからない距離。
 長男の方が通っていた頃は、運動会や学芸会などでよく見学に行ったり、娘が用事で長男を迎えに行けない時などは、車で迎えに行ったりしていた。
 園に入って案内を請うと、保母さんが「〇〇ちゃんのおじいちゃんですか」なんてことで、長男のことをよく覚えていてくれていた。ちょうど年中クラスの時の担任の先生も居合わせて、「年中の途中でドイツに行かはって・・・」なんて話されていたので、印象に残っていたようだ。
 オリエンテェーションでは、最初に園長さんの挨拶があった。その後、具体的な園内で生活の説明などがあったようだが、私の場合は長男が通っていたこともあって、最初の挨拶が終わってから帰っても良いとのことだった。
 来る時は京都バスの川端通りの荒神口で降りたが、帰路は府立文化芸術会館前から市バスで帰った。この日は一日中、雪が降ったり止んだりしていて、出かける時は自転車で行こうかと思ったりもしていたが、帰る頃にまた雪が降り出してたので、まあ、バスにしておいてよかった感じ。

(23.2.22.水)晴れ時々曇り
 今日はヨメさんが娘宅の掃除に行くとのことで、なんやかやと荷物が多かったので車で娘宅まで送って行った。
 ガソリンがそろそろなくなってきているな、と思っていたら、スタートしてからすぐにガソリン切れのインジケーターが点灯がした。そのため、川端丸太町までヨメさんを送って行って、帰路に給油と洗車・コーティングをするためにいつも利用している下鴨のガソリンスタンドに寄ることにした。洗車・コーティングが1時間半ほどかかるとのことだったので、車をガソリンスタンドに預けたまま、徒歩で、一旦、帰宅した。
 帰宅してから、『鬼の居ぬ間の映画鑑賞会』  昨日は保育園に行ったためにできなかった  ということで、クリント・イーストウッドの『荒野のストレンジャー』を観ていたら、途中でスマホが鳴って、洗車・コーティングが終了したとの連絡があった。
 以前は、よく岩倉の方にある自動洗車場に行って、自分で洗車をしていたもんだが、さすがに、年々、体力的に負担になってきて、現在は、いつも利用していたこのガソリンスタンドで洗車・コーティングもしてもらうようになった。
 一昨日の記事でも書いたが、私の愛車ゴルフWワゴンの走行距離は、十数年間で2万キロにも達していない。買った当初は、勤務場所が桂坂の〇〇研究センターだったので往復で20キロ以上あったが、現在は週に1回乗る程度で、しかも距離は数キロ程度だけなのでなかなか走行距離が延びない。春からのドライブ旅行が実現出来たら、一挙に距離を延ばせるだろうなぁ。 

(23.2.23.木)晴れ
 今日は、ほぼ1時間かけて、自転車で高野川・鴨川・賀茂川河川敷を中心にサイクリングした。
 まず、いつものように洛北阪急スクエア南側の高野川東岸河川敷に降りてスタートして河川敷の道を南下、鴨川デルタの亀石を過ぎて鴨川東岸河川敷を丸太町橋まで行き、橋を渡って西岸河川敷に出た。気温はまだまだ寒いが、なんとなく春めいて人出も多くなってきた感じがする。
 鴨川西岸河川敷で写真撮影をして、そのまま北上して出待ちまで戻った。そこから賀茂大橋、出町橋をくぐると、この辺りで鴨川が賀茂川と呼び名が変わる。この賀茂川西岸には加茂街道  「賀茂」川に並走しているのに「加茂」街道なんて呼称の区別は、京都人でも年配の「地の人」しか分からないだろう、加えて、出町を境に「鴨」川と「賀茂」川に呼称が変わるなんて、トリビアそのものという感じ  が並走しているが、この街道は、歩道が敷設されていない二車線の道路だが交通量が多いため、自転車で車道を走るのはかなり危険が伴う。その代わりといってはなんだが、並走している賀茂川西岸の河川敷はかなり幅広く(鴨川西岸も同様)、フットサルやゲートボールなどの遊技場などが設られているところもある。この辺りは「下鴨」と言って、京都市内でも有数のリッチな住宅地が近いこともあって、犬の品評会かと思うほど、様々な犬種の犬を散歩させている人たちと行き交う。
 植物園南側の北大路橋まで来て上道に上がろうかと思ったが、やり過ごして橋をくぐり、結局、植物園北側の北山大橋まで来てしまった。そこで一般道に上がって植物園北側の塀に沿って走り、北山通りをずっと東行して松ヶ崎を過ぎ、高野川まで来て松ヶ崎橋を渡って修学院に出て、川端通りの一筋東の大原街道を下がっていった。

IMG_3710.jpeg   IMG_3711.jpeg

【今日の読書356※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字
A-42『昭和史 下』
B-46『利己的な遺伝子』
B-49『生物の世界』
B-48『量子革命』
E-23『自由対談』
E-24『若い読者のための短編小説案内』
F-82『ここから世界が始まる』
F-83『東京奇譚集』
G-14『失われた時を求めて14』
H-5『自省録』
I-24『読書の日記』
I-37『文学の淵を渡る』
K-24『現代小説作法』
L-8『それから』
コメント:だいぶ長い時間を要したが、やっと、B-46『利己的な遺伝子』を読み終えた。今、見てもかなりセンセーショナルな書名だが、発刊当時は多くの議論を喚起した書であったらしい。読後の印象としては、科学の啓蒙書というよりは、「遺伝」や「進化」に関する「思想」を披瀝した書という印象。全編を通じて「遺伝子」を擬人的に取り上げ、「生物は遺伝子によって利用される『乗り物』に過ぎない」という比喩表現などが溢れかえっているが、この比喩の多用により、かえって論述の本旨が分かりにくくなっているように思えてならない。これらの比喩的文章を除いたら、はたしてどれだけのことが書かれているのか、となんとなく思ってしまう。このカテゴリーの次の書としては今西錦司『生物の世界』にした。
 F-83『東京奇譚集』を読み終え、これで村上春樹の小説はすべて読み終えたことになる  「読書リスト」に掲載してある村上春樹の小説は『風の歌を聴け』からスタートしているが、『1Q84』以後の長編小説は、このブログ開始前に読了している。あとは、いくつかエッセイやドキュメンタリーなどがあるので、読書リストの「F 小説一般」ではなく「E 実録・エッセイ等」のカテゴリーとして、E-24『若い読者のための短編小説案内』を選んだ。

今日の映画356】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『舟を編む(NHK-BSの録画で視聴)
原題:  
製作年:2013年
製作国:日本
監督:石井裕也
出演:松田龍平/宮崎あおい/オダギリジョー/黒木華/小林薫/加藤剛
ストーリー:玄武書房の営業部に勤める馬締光也(松田龍平)は、独特の視点で言葉を捉える能力を買われ、新しい辞書「大渡海(だいとかい)」を編纂する辞書編集部に迎えられる。個性的な編集部の面々に囲まれ、辞書づくりに没頭する馬締は、ある日、林香具矢(宮崎あおい)という女性に出会い、心ひかれる。言葉を扱う仕事をしながらも、香具矢に気持ちを伝える言葉が見つからない馬締だったが・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.8、TSUTAYAは3.59、Filmarksは3.8で、私の評価は3.8とした。
 出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書づくりに取り組む人々の姿を描き、2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化した作品。原作は読んでいない。
 舟を編むという題名に惹かれた。「辞書を編纂する話」ということを知っていたが、「舟」というのが「言葉の海を渡る『舟』」という意味合いということは知らなかった。聞いてみるとなるほどという感じがする。加藤剛が辞書編纂を監修する言語学者の役で出演していたが、かつての二枚目俳優も歳をとったなぁ。TVドラマ『三匹の侍』  私のオヤジがよく観ていた  や映画『人間の条件』の演技が懐かしい。その加藤剛をはじめ、キャスティングがみんなハマっている感じがする。登場人物に、この手の作品にありがちなイヤな人間  西岡正志(オダギリジョー)がそれっぽいところもあるが、調子のイイ、要領をカマスだけの男で悪意はない  がいなくて、「善意の人」たちだけというのがいい。

今日のジャズ356※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
タイトル:Stone Flower
アーティスト:Antonio Carlos Jobim
レーベル:CTI/キング
録音年月日:1970.
曲名:@Tereza My Love/AChildren's Games/BChoro/CBrazil/DStone Flower/EAmparo/FAndorinha/GGod And The Devil In The Land Of The Sun/HSabia/Brazil (alt take)
ミュージシャン:Antonio Carlos Jobim(p,el-p,g)/Urbie Green (tb)/Joe Farrell (ss)/Harry Lookofsky (vln)/Ron Carter (b)/Joao Palma (ds)/Airto Moreira (per)/Everaldo Ferreira (per)/Eumir Deodato (arr)
コメント:(CTIのプロヂューサー)クリード・テイラーはことあるごとにジョビンの作品を作ってきた。これがその最新バージョンで、いつものようにイージー・リスニング調の演奏が楽しめる。とはいえ、メンバーは最高だ。デオダート (arr,g)、ロン・カーター、ジョアン・パロマ (ds)、アイアート・モレイラのリズム・セクションにアビー・グリーン (tb)、ジョー・ファレル (ss)、ヒュバート・ロウズを拝した布陣は、このレーベルならでは。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)
<YouTubeライブ映像>
   

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2023年02月21日

読書リスト75(2023.2.22)

【読書リスト】を更新しました。今回、新規に取り上げた本は次の6冊です。
 @『夢十夜』
 A『東京奇譚集』
 B『それから』
   C『現代小説作法』
 D『失われた時を求めて14』
 E『文学の淵を渡る』

◎ リストの書名の表示について 
1)アンダーラインの書名は今回新たにリストアップした本
2)太字の書名は現在読書中の本
3)イタリック体で太字の書名は読むのを中断した本
※ 普通字体の書名は、既に読み終えた本を表す。なお、稀に、新規に読み始めたが、タイムラグで、新たにリストアップするまでに読み終えてしまった本がある。その場合は、普通字体の書名にアンダーラインを付してある。
 また、書名の頭の◯数字は、次のとおり、カテゴリー分けを表すが、区分はそれほど厳密なものではなく、今後、変わることもある。
 @ 吉本隆明の著作
 A 経済学関係の著作
 B 自然科学関係書籍(キーワードは意識/脳/生命/遺伝子/宇宙/素粒子)
 C 小林秀雄の著作
 D 小林秀雄・吉本隆明関係の著作
 E ドキュメンター・エッセイ等
 F 小説一般
 G プルースト『失われた時を求めて』
 H 聖書・古典・箴言集等
 I 書店の平積みや書籍広告などで興味を持った本(ジャンルは問わない)
 J 病院などでの待ち時間に読む本(日記類など細切れ読書に適した本)
 K 特定ジャンルのツンドク書籍(現在は「小説・物語」に関するもの)
 L Kindle端末

◎ 読書リスト75(2023.2.22)
@-1-20は『読書リストF』を参照
 -21『吉本隆明代表詩選』高橋源一郎 瀬尾育生 三浦雅士/思潮社 2004.4.25
 -22『 詩歌の呼び声 岡井隆論集』吉本隆明/ 論創社 2021.8.10
 -23『源実朝』吉本隆明/ちくま文庫 1990.1.30
 -24『夏目漱石を読む』吉本隆明/ちくま文庫 2009.9.10
A-1-35は『読書リストF』を参照
 -36『日本経済を学ぶ』岩田喜久男/ちくま新書 2005.1.10
 -37『デフレと超円高』岩田喜久男/現代新書 2010.2.20
 -38『平成経済20年史』紺谷典子/幻冬舎新書 2008.11.30
 -39『バブル経済事件の深層』村山治/奥山俊宏/岩波新書 2019.4.19
 -40『平成金融史』西野智彦/中公新書 2019.4.25
 -41『昭和史 上』中村隆英/東洋経済新報社 2012.8.9
 -42『昭和史 下』中村隆英/東洋経済新報社 2012.8.9
B-1-40は『読書リストF』を参照
 -41『種の起原 下』C.ダーウィン/光文社古典新訳文庫 2009.12.20
 -42『宇宙創成 下』S.シン/新潮文庫 2009.2.1
 -43『数式を使わない物理学入門』猪木正文/角川文庫 2020.5.25
 -44『ダーウィンを超えて』今西錦司/吉本隆明/朝日出版社 1978.12.10
 -45『イヴの七人の娘たち』ブライアン・サイクス/河出文庫 2020.2.10
 -46『利己的な遺伝子』リチャード・ドーキンス/紀伊国屋書店 2018.2.26
 -47『物理学の原理と法則』池内了/学術文庫 2021.2.9
 -48『量子革命』M.クマール/新潮文庫 2017.2.1
C-1『小林秀雄全作品1/様々なる意匠』小林秀雄/新潮社 2000.9.20
   -2『小林秀雄全作品2/ランボウ詩集』小林秀雄/新潮社 2002.11.1
   -3『小林秀雄全作品3/おふえりあ遺文』小林秀雄/新潮社 2002.12.1
 -4『小林秀雄全集2/Xへの手紙』小林秀雄/新潮社 2001.5.1
   -5『小林秀雄全集3/私小説論』小林秀雄/新潮社 2001.12.10
   -6『小林秀雄全集4/作家の顔』小林秀雄/新潮社 2001.8.1
 -7『小林秀雄全集5/文藝批評の行方』小林秀雄/新潮社 2002.2.1
   -8『小林秀雄全集6/ドストエフスキイの生活』小林秀雄/新潮社 2001.7.1
D-1『この人を見よ』小林秀雄全集編集室/新潮文庫 2015.1.1
   -2『小林秀雄対話集』小林秀雄/講談社 1966.8.10
   -3『小林秀雄の思い出』郡司勝義/文春学藝ライブラリー 2014.6.20
   -4『わが小林秀雄ノート 向日性の時代』郡司勝義/未知谷 2000.2.20
   -5『わが小林秀雄ノート2 批評の出現』郡司勝義/未知谷 2000.9.20
 -6『わが小林秀雄ノート3 歴史の探求』郡司勝義/未知谷 2001.3.25
   -7『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』加藤×高橋/岩波書店 2013.5.9
   -8『吉本隆明のDNA』姜尚中 他/朝日新聞出版 2009.7.30
   -9『わが小林秀雄』河上徹太郎/昭和出版 1978.6.1 
 -10『《論考》小林秀雄 増補版』中村光夫/筑摩書房 1983.7.20
 -11『吉本隆明をよむ日』岡井隆/思潮社 2002.2.1
E-1-15は『読書リストF』を参照
 -16『成城だよりU』大岡昇平/中公文庫 2019.9.25
 -17『トルーマン・カポーティ 上』G.プリンプトン/新潮文庫 2006.8.1
 -18『トルーマン・カポーティ 下』G.プリンプトン/新潮文庫 2006.8.1
 -19『成城だよりV』大岡昇平/中公文庫 2019.10.25
 -20『犬は吠えるT ローカル・カラー 他』T.カポーティ/ハヤカワ文庫 2006.9.10
 -21『犬は吠えるU 詩神の声聞こゆ』T.カポーティ/ハヤカワ文庫 2006.9.10
 -22『二つの同時代史』大岡昇平/埴谷雄高/岩波現代文庫 2009.12.16
 -23『自由対談』中村文則/河出書房新社 2022.7.20
F-1-70は『読書リストF』を参照
 -71『パン屋再襲撃』村上春樹/文春文庫 2011.3.11
 -72『悪人』吉田修一/朝日文庫 2018.7.30
 -73『君たちはしかし再び来い』山下澄人/文藝春秋 2022.4.10
 -74『冷血』T.カポーティ/新潮文庫 2006.7.1
 -75『TVピープル』村上春樹/文春文庫 1993.5.8
 -76『夜のくもざる』村上春樹/新潮文庫 1995.3.1
 -77『カメレオンのための音楽』T.カポーティ/ハヤカワ文庫 2002.11.30
 -78『レキシントンの幽霊』村上春樹/文春文庫 1999.10.10
 -79『和解』志賀直哉 /角川文庫 1954.5.20
 -80『叶えられた祈り』T.カポーティ/新潮文庫 2006.8.1 
 -81『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹/新潮文庫 2000.3.1
 -82『ここから世界が始まる』T.カポーティ/新潮文庫 2022.10.1
 -83『東京奇譚集』村上春樹/新潮文庫 2007.12.1
G-1-10は『読書リストF』を参照
 -11『失われた時を求めて11』プルースト/岩波文庫 2017.5.16
 -12『失われた時を求めて12』プルースト/岩波文庫 2018.5.16
-13『失われた時を求めて13』プルースト/岩波文庫 2018.12.14
-14『失われた時を求めて14』プルースト/岩波文庫 2019.11.15
H-1『新約聖書U』佐藤優 訳・解説/文春新書 2010.11.20
   -2『旧約聖書』中沢洽樹/中公クラシックス 2004.11.10
   -3『パンセT』パスカル/中公クラシックス 2001.8.25
   -4『パンセU』パスカル/中公クラシックス 2001.9.25
   -5『自省録』マルクス・アウレーリウス/岩波文庫 2020.1.24 
I-1-30は『読書リストF』を参照
 -31『我が詩的自伝』吉増剛造/講談社現代新書 2016.4.20
 -32『あの胸が岬のように遠かった』永田和宏/新潮社 2022.3.25
 -33『歌に私は泣くだろう』永田和宏/新潮文庫 2015.1.1
 -34『評伝・河野裕子』永田淳/白水社 2015.8.5
 -35『私の文学史』町田康/NHK出版新書 2022.8.10
 -36『無人島のふたり』山本文緒/新潮社 2022.10.20
 -37『文学の淵を渡る』大江健三郎 古井由吉/新潮文庫 2018.1.1
J-1『戦中派虫けら日記』山田風太郎/ちくま文庫 1998.6.24
   -2『戦中派不戦日記』山田風太郎/講談社文庫 1985.8.15
   -3『戦中派焼け跡日記』山田風太郎/小学館文庫 2011.8.10
   -4『戦中派闇市日記』山田風太郎/小学館文庫 2012.8.8
 -5『戦中派動乱日記』山田風太郎/小学館文庫 2013.8.7
 -6『戦中派復興日記』山田風太郎/小学館文庫 2014.8.10
   -7『池波正太郎の銀座日記』池波正太郎/新潮文庫 1991.3.25
K-1-15は『読書リストF』を参照
 -16『現代小説の方法』中上健次/作品社 2007.2.25
 -17『小説的思考のススメ』阿部公彦/東大出版会 2012.3.21
 -18『東大で文学を学ぶ』辻原登/朝日新聞出版 2014.6.25
 -19『サスペンス小説の書き方』P.ハイスミス/フィルムアート 2022.2.25
 -20『小説の技巧』ディヴィッド・ロッジ/白水社 1997.6.15
 -21『天気の好い日は小説を書こう』三田誠広/集英社文庫 2000.3.25
 -22『深くておいしい小説の書き方』三田誠広/集英社文庫 2000.4.25 
 -23『書く前に読もう超明解文学史』三田誠広/集英社文庫 2000.6.25
 -24『現代小説作法』大岡昇平/ちくま文庫 2014.8.10
L-1『断腸亭日乗』永井荷風/(底本) 岩波書店 1993.6.258
   -2『あめりか物語』永井荷風/グーテンベルク21 2012.7.25
   -3『ふらんす物語』永井荷風/グーテンベルク21 2012.3.25
   -4『吾輩は猫である』夏目漱石/(底本) 全集 1/ちくま文庫 1987.9.29
   -5『坊ちゃん』夏目漱石/(底本)全集2/ちくま文庫 1987.10.27
 -6『三四郎』夏目漱石/(底本)角川文庫クラシックス 1951.10.20
   -7『夢十夜』夏目漱石/(底本)ちくま文庫 1988.7.26
   -8『それから』夏目漱石/(底本)新潮文庫 1948.11.30
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