2022年04月29日

逃病日記362(22.4.29.金)

(22.4.28.木)曇り時々晴れ
 今日は、昼からはY整形外科医院、夕方からはN歯科医院と、医療機関のハシゴで忙しい一日だった。
 整形外科の受診は、いつもは水曜日なんだが、今日木曜日に予約変更してもらった。理由は、ヒアルロン酸注射を打った日は入浴できないので、その翌日に歯医者に行くのは気が引けるのでということだが、別に一日風呂に入らなかったからといって体臭がするわけでもないんだが、頭髪なんかも洗ってないため、なんとなく行くのがためらわれる、まあ、考え過ぎと言えば考えすぎなんだが・・・。
 それでY整形外科医院には、昨日、予約変更の電話をしておいた。連休前ということで待合室には多くの診察待ち患者がいたが、いつもと診察の曜日が違うので見知った顔がいない。1時間ほど待たされて診察室に入ると顔馴染みの看護師さんに「きのう、来はれへんかったし、どうしはたんやろ、ゆうてたんですよ」とのこと。そして、いつも一緒になるおばあちゃんの話題になり、「〇〇さんも、きのう、元気に来てはりました」とのことで、なんとなく、水曜日の診療終了前の患者は、私とそのおばあちゃんとセットになっているみたいな感じだわな。
 左膝人工関節置換術の手術日が決まり、ヒアルロン酸注射は3ヶ月前に中止しなければならないので、先生も「そやそや、右だけやったな」と、今日は右膝関節だけに注射してもらった。しかし3ヶ月間ヒアルロン酸注射を中止した場合、膝関節の動きや痛みはどうなんだろう、少し気にはなる。次回の診察時に訊いてみようかと思うが、2週間後なのでそれまでになんらかの症状が現れてしまっているかもしれない。
 2時半に整形外科医院に着いて、診療を終えて家に帰ったのはちょうど4時頃だった。歯科医院の予約は夕方の5時で、しばらく間を置いてからまたクルマで出かけた。
 N歯科医院の場所は、あの一条寺ラーメン街道でも人気のラーメン店「極鶏」の真向かい。しかし、歯医者さんへ行く前にも、後にも、ちょっとラーメンを、というわけには、まあ、いかんわなあ。5時前という中途半端な時間帯だったので、「極鶏」はすいていたんだが・・・。
 歯科医院では、今日は治療ではなく“歯の掃除”とのことで、歯垢と歯間の掃除だったが、ほんとにていねいで、これだけで30分もかかってしまった。治療は次回からとのこと、まあいいか、とにかくよろしゅうたのんます。

(22.4.29.金)雨のち曇り
 最近はよく雨が降る。今日も、一歩も外に出ずに読書三昧の一日。
 先日、K大生協の書籍販売のルネから、在職時から長期予約購入をしている『吉本隆明全集』の28巻が入荷したと電話連絡があった。明日にでも、受け取りに行こうと思う。
 そろそろ、また、書棚のスペースがなくなってきて、不用な本を見繕って、書棚外に積み上げてある。今回は、パソコン(Mac)関係のマニュアル本と労働判例集、それから一部の文学関係の本だが、明日、クルマにヨメさんを同乗してもらって、ルネで『吉本隆明全集』を受け取った後に、古書店ではなく、K大熊野寮  川端丸太町の娘の留守宅のポストに『〇〇だより』という町内のミニコミが入っていて、同じ町内にあるK大熊野寮の「地域の人からの古書歓迎」という記事が掲載されていた  に不用な本を持っていこうと思っている。

【今日の読書252※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字  
@-21『吉本隆明代表詩選』
A-37『デフレと超円高』
B-41『種の起原 下』
B-42『宇宙創成 下』
D-10『《論考》小林秀雄 増補版』
E-21『犬は吠えるU 詩神の声聞こゆ』
F-70『女のいない男たち』
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
I-34『評伝・河野裕子』
コメント:F-70『女のいない男たち』は、三番目の「独立器官」を読み終えた。恋をするすべての男女は、本人の意思ではどうすることもできない他律的な作用をする「独立器官」を有していて、彼(彼女)らの人生に介入して「人生を高みに押し上げ、谷底に突き落とし、心を戸惑わせ、美しい幻を見せ、ときに死にまで追い込んでいく」が、それがなければ「僕らの人生はきっとずいぶん素っ気ないものになるだろう」とのことだが、まあ、わからないでもないなぁ。
 G-11『失われた時を求めて11』はそろそろ読了する。まだ結末は読んでいないが、多分、同棲しているアルベルチーヌは去っていくんだろう  第12巻の表題は「消え去ったアルベルチーヌ」となっている。
 I-34『評伝・河野裕子』は、息子の永田淳氏が書いた評伝だが、母親である河野裕子への愛情に満ち溢れている印象だが、一方で、父親の永田和宏氏に対しては、特に母親である河野裕子に対する態度に不満を抱いているような感じがする。話の内容としては、典型的なオイディプス神話の物語だが、永田淳氏が正直に書いたからこそ  折々に河野裕子と永田和宏、永田淳、永田紅の歌が散りばめられて話が進み、感情の流れがその歌に沿って描かれるため嘘が書けない  巧まずして無意識裡にオイディプス神話の物語を紡いでしまったように思う。穿ち過ぎとは思わないんだが・・・。

【今日の映画252】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『L.A. ギャング ストーリー(Amazon Prime Videoで視聴)
原題:Gangster Squad
製作年:2013年
製作国:アメリカ
監督:ルーベン・フライシャー
出演:ジョシュ・ブローリン/ライアン・ゴズリング/ショーン・ペン/
ストーリー:ドラッグや銃器取引、売春で得た金を使い、警察や政治家をも意のままに操る大物ギャングのミッキー・コーエン(ショーン・ペン)は、自らを「神」と豪語し、ロサンゼルスを支配する。しかし、そんなコーエンを打ち破るべく、市警本部長のビル・パーカー(ニック・ノルティ)はジョン・オマラ巡査部長(ジョシュ・ブローリン)に目をつけ、彼を中心に6人の警察官が立ち上がる。警察当局は一切の責任を負わないという命がけの任務に就いた6人は、警察官という素性も名前も隠し、コーエン率いるギャング組織へ戦いを挑む・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.4、TSUTAYAは3.12、Filmarksは3.5で、私の評価は3.5とした。
 1949年のロサンゼルスを舞台に、ギャングと警察官の抗争を描いたクライムアクション。
 同じロス市警察(LAPD)ものでも、以前に観た記憶のある『L.A.コンフィデンシャル』に比べると、だいぶ見劣りがする。しかし「LAPD」っていうのは、なんでこんなに多くの映画やテレビドラマに取り上げられるんだろうか。『スピード』や『リーサル・ウェポン』がそうだし、そう言えば『刑事コロンボ』もロス市警察殺人課の刑事だったかな。

【今日のジャズ252】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
タイトル:Chapter III
アーティスト:Gato Barbieri
レーベル:Impulse
録音年月日:1974.6.25/1974.6.26
曲名:@Milonga Triste/ALluvia Szul/BEl Sublime/CLa Padrida/DCuando Vuelva A Tu Lado/EViva Emiliano Zapata
ミュージシャン:Gato Barbieri (ts)/Victor Paz (tp)/Randy Brecker (tp)/Alan Rubin (tp)/Ray Alonge (frh)/Jim Buffington (frh)/Buddy Morrow (tb)/Alan Raph (b-tb)/Howard Johnson (tu,flh,bcl,bs)/Seldon Powell (fl,alto-fl,piccolo,as,bs)/Eddie Martinez (p,el-p)/George Davis (g)/Paul Metzke (g)/Ron Carter (b,el-b)/Grady Tate (ds)/Ray Armando (per)/Luis Mangal (per)/Ray Mantilla (per)/Portinho (per)/Chico O'Farrill (arr,cond)
コメント:《哀愁のテナー・サックス》ことガトー・バルビエリがその哀愁味をたっぷりと聴かせてくれる。フュージョン・ジャズ系の実力派を中心にしたサポート陣が彼の魅力を最大限に発揮させた。フリー・ジャズをベースに、アルゼンチン生まれのガトーらしくラテンの要素を強調した演奏は極めて個性的。中でも〈縁は異なもの(Cuando Vuelva A Tu Lado)〉は本作中最高の聴きものとなった。(『ジャズマンがコッソリ愛するJAZZ隠れ名盤100』から抜粋)
<YouTubeライブ映像>
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2022年04月27日

逃病日記361(22.4.27.水)

(22.4.25.月)晴れ
 今日、近所の歯医者に行ってきた。
 先日、K大病院の整形外科を受診した後に、看護師による入院説明があり、その際、歯の治療  特に歯槽膿漏は、血液を通して菌がまわって手術後の人工関節部で感染症などが生じる怖れがあるため、治療しておくようにと言われた。
 以前はS歯科によく通っていたが、そこの治療台は、リクライニング・シートではなく、全くフラットな幅の狭いベッド式で、仰臥姿勢になるのが脊柱管狭窄症などの関係で負担なため、今回、新たに、ヨメさんが通っている歯科医院に変更した次第。
 年配の女性の歯科医師だったが、スタッフも含めなかなか好印象の歯科医院。その先生の話では、S歯科は医院を閉じられたとのことらしい。歯科医院を変えたのは、まあ、結果オーライということだった。
 ヨメさんが「めちゃくちゃ丁寧やわあ」と言っていたとおり、今日は、初診なので歯や口内全体のチェックと歯科技工士による歯磨きとデンタルフロスの推奨と使用方法指導だけだった。次回は28日の木曜日に予約したが、この日も治療開始ではなく口内清掃ということらしい。ほんまに「めちゃくちゃていねい」で、それはそれでええねんけど、7月5日の入院日までにちゃんと治療が終わてるんやろかなぁ。

(22.4.26.火)雨
 今日は、本降りの雨の一日だった。高野川もカラカラに枯れていたので、これだけ降れば、本来の「川らしさ」が戻るだろう。
 当然、普段なら読書三昧の一日になるが、ヨメさんが雨降りにもかかわらず、「ガンバッテ行くわ」とエル・スポーツに出かけて行ったので、私の方は、例によって、録画ビデオの鑑賞会となった。
 今日の作品は、「ベン・ハー」などを手がけた名匠ウィリアム・ワイラーが監督を務め、1947年・第19回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞、助演男優賞など9部門に輝いた名作『The Best Years of Our Lives』。
 観始めてしばらくの間は、モノクロということもあって、「ちょっと、辛気臭そうな映画やなぁ」と思いつつ、オムニバスみたいな感じの映画という印象だったが、3人が故郷に帰り着いて、それぞれの生活が動き出すに従って、3人の生活も微妙に交錯するようになり、最後は・・・で、各映画サイトのレビューも高評価で、なかなか観応えのある作品だった。
 YouTubeにフル・ムービーでアップ  古い作品なので著作権も切れているんだろう  されていたので、『The Best Years of Our Lives』にリンクを貼っておいた。英語のリスニングの練習にでも・・・

(22.4.27.水)曇り
 今日は久しぶりに恵文社までウォーキングしてきた。しばらく行っていなかったが、平積みのコーナーが一新されていた。店内に入ってすぐの正面のコーナーは、マイナーな出版社の本が多く平積みされているが、1ヶ月近く行っていない間にほぼ全部が新しい本に変わっていた。
 メジャーな出版社の普通の平積みコーナーには、先日、大垣書店で見かけたがすぐに姿を消してしまった  売り切れたのか返本したのか分からんが  河出書房新社のムック本『吉本隆明』が平積みコーナーに置いてあったので、ついつい買ってしまった。
 書店を出て、帰りは高野川堤を歩いて帰った。昨日、かなりの雨が降ったので、カラカラだった水量は多少回復していた。堤道は、多少、水溜り跡が残っていたが、まあ、歩くのには差し支えのない状態。

【今日の読書251※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字  
@-21『吉本隆明代表詩選』
A-37『デフレと超円高』
B-41『種の起原 下』
B-42『宇宙創成 下』
D-10『《論考》小林秀雄 増補版』
E-21『犬は吠えるU 詩神の声聞こゆ』
F-70『女のいない男たち』
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
I-34『評伝・河野裕子』
コメント:I-34『評伝・河野裕子』は、永田和宏、河野裕子夫妻の息子さんの永田淳氏による評伝だが、折に触れ、亡き母親への愛情が垣間見える作品。永田和宏氏のI-32『あの胸が岬のように遠かった』とI-33『歌に私は泣くだろう』に続く永田・河野夫妻関連の作品ということになる。三冊ともにご夫妻の歌
  僅かだが永田淳氏と娘さんの永田紅さんの歌も入っている  を折々に散りばめられているが、「短歌っていいなあ」というのが正直な感想。
 自分自身の心象風景と外界の自然の風景を絶妙に「言葉」でシンクロさせるんだが、歌を詠む人というのは、そういう感性になってしまっているんだろうなという気がする。「短歌」というファインダーで自然の風景や季節の移ろいを捉えると同時にそれに喚起された心の動きを捉えて言葉に表す。逆の場合もあるんだろう、ある思いにとらわれていつつ、ふと見た自然の風景や季節の移ろいの中の花鳥風月に目が捉えられてしまう。

【今日の映画251】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『レナードの朝(NHK-BS プレミアム・シネマ録画で視聴)
原題:Awakenings
製作年:1990年
製作国:アメリカ
監督:ペニー・マーシャル
出演:ロバート・デ・ニーロ/ロビン・ウィリアムズ/ジョン・ハード/ジュリー・カブナー
ストーリー:ニューヨーク、ブロンクスにある慢性神経病患者専門の病院に赴任したセイヤー医師(ロビン・ウィリアムズ)は、話すことも動くこともできない患者たちに反射神経が残っていることに気づき、訓練によって彼らの生気を取り戻すことに成功する。ある日彼は、30年前にこの病院に入院して以来ずっと眠り続けている嗜眠性脳炎の患者レナード(ロバート・デ・ニーロ)に、まだ認可されていないパーキンソン病の新薬を投与する。そしてある朝、レナードはついに目を覚まし・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは4.0、TSUTAYAは3.97、Filmarksは4.1で、私の評価は?とした。
 こういう映画作品の評価は難しい。各サイトは軒並み高評価だが、私は、正直、このような映画をどのように評価していいのかわからないので評価を留保した。ロバート・デ・ニーロの演技は「うまいなあ」とは思うが、あざといというか、やりすぎという感じがしなくもない。パーキンソン病患者の挙動をうまく演技しているが、「それがどうなんだ」ということだ。映画を評価する際に、カメラワークやシナリオなどの技術的側面で評価するのか、テーマや題材など内容面で評価するのか、まあ、要は面白かったらいいんだろうとは思うが、蓮實重彦的な評価ってどうなんだろうね。

【今日のジャズ251】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
タイトル:New Trombone
アーティスト:Curtis Fuller
レーベル:Prestige/ビクターエンターテインメント/Fantasy
録音年月日:1957.5.11
曲名:@Vonce #5/ATraspotation Blues/BBlue Lawson/CNamely You/DWhat Is This Thing Called Love?/EAlicia
ミュージシャン:Curtis Fuller (tb)/Sonny Red Kyner (as)/John Jenkins (as)/Paul Quinichette (ts)/Mal Waldron (p)/Doug Watkins (b)/Ed Thigpen (ds)/Hank Jones (p)/Louis Hayes (ds)
コメント:人材不足のトロンボーン・シーンにデトロイトから登場したカーティス・フラー。誰にも負けないモダンな感覚を取り入れたプレイの持ち主だけに、ニューヨークに進出するやハード・バップのセッションに引っ張りだことなった。その端緒を飾ったのがプレスティッジに残されたこの初リーダー作品。ブルージーでめりはりの効いたフレーズが新時代の到来を思わせる。
 フラーは間口の広いトロンボーン奏者である。それともうひとつ、本格的なハード・バップが吹けた初めてのトロンボーン奏者だったと思う。フラーがニューヨークに進出したことによって、それまでは二管編成が一般的だったハード・バップのコンボ編成に三管編成の可能性が増えたのである。「間口が広い」という言葉の裏にはこのことも含まれている。(『ジャズマンがコッソリ愛するJAZZ隠れ名盤100』から抜粋)

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2022年04月24日

逃病日記360(22.4.24.日)

(22.4.23.土)曇り
 二週間滞在していた娘や孫たちもドイツに帰り、寂しいようなホッとしたような、という感じだが、まあ、やはり二週間ぐらいが限界というところかな。
 ヨメさんの方は、帰る前日に娘や孫たちと一緒にやった「手巻き寿司」が懲りたようだ。娘や孫の言うままに、あれしい、これしいとしていたが、娘の方は、「ほんなら帰るわ、ごちそうさん」と、あと片付けを手伝うでもなく、さっさと家に帰ってしまった、というような感じだったで、「まあ、もうええなあ」という感じかもしれない。
 私の方は、あれこれと孫の相手になっていたが、孫たちもだんだんとこちらに慣れてきて、いろいろとわがままを言いだすので、ついつい叱ったりしてしまう。日本に帰ってきた二週間前は「かわいい、かわいい」で、そんなに気に触ったりすることもなかったが、やんちゃ盛りなので何事にも夢中になって、大人の言うことを聞かなくなってくる。それで、ついつい、自分の子供に対するような感じで叱ってしまうが、あとで「叱ったらあかんなぁ」と反省する次第。

 夜に、ヘルシンキに着いたとLINEメールがあった。ここでトランジットで8時間以上あるので観光でもするんだろうかな。 

(22.4.24.日)雨
 ヨメさんが、娘たちから「家に着いたゆう連絡がないなぁ」と心配するので、私が娘に「家に着いたん?」とLINEメールした。そしたらすぐに「昨日の夜8時に着いた」と返事があった。
 よう考えたら、時差が7時間あるので、ドイツの夜8時は、日本の「丑三つ時」、つまり真夜中3時頃ということになる。そら、家に着いたゆうても、こちらの時刻を考えてメールをするのは憚れるわなぁ。逆に、こっちがさっき「家に着いたん?」とメールしたが、むこうでは朝の5時頃ということになる。時差もあって寝れずに起きていたのかもしれないが、悪いことをした。
 しかし、まあ、元気に無事に着いてなによりだった。

【今日の読書250※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字  
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
I-33『歌に私は泣くだろう』 
I-34『評伝・河野裕子』
K-17『小説的思考のススメ』
コメント:永田和宏氏の『歌に私は泣くだろう』を読み終えた。次は、永田淳氏
  永田・河野夫妻の長男で自身も歌人であり出版社を経営  が母親について書いた『評伝・河野裕子』。
 『歌に私は泣くだろう』には、8年間にわたる「闘病生活」を中心に詠まれた短歌が、闘病生活の折々に合わせて散りばめられている。印象深い歌をいくつか抜粋して掲げておいた。

p.9 夜中すぎ鏡の前で偶然気づく
   左脇の大きなしこりは何ならむ二つ三つあり卵大なり
河野裕子『日付のある歌』
 「すべてはこの一首から始まったと言っていいのかもしれない。(永田)」

p.11 永田、京大病院形成外科の西村教授に連絡を取り、診察予約をしてくれる
   泳ぎたい疲れた身体が呻くなり明日は病垂の病院にゆく      裕子 
 「心配ないと思うけど、明日、京大病院で診てもらえるようにしようということになった。(永田)」
   
p.16 病院横の路上を歩いていると、むこうより永田来る
   何という顔をしてわれを見るものか私はここよ吊り橋ぢやない   裕子
 「私のそれまでの人生で、この一首ほど辛い一首はなかったと言っていいかもしれない。できるだけ平静を装っていたつもりなのに、お見通しだったということか。どんな形相をしていたのだろう。(永田)」
 「診察を終えて病院の横の路上を歩いていると向こうから永田がやってきた。彼とは三十年以上暮らしてきたが私を見るあんな表情は初めて見た。痛ましいものを見る人の目。この世を隔たった者を見る目だった。(河野)」

 以下、すべての歌を取り上げることもできないので、特に印象に残った歌で添書きのいらないものを抜粋して掲載した。

p.23 この椅子にこれから何度座るのだろう背もたれのない黒い丸椅子
河野裕子『日付のある歌』
p.27 明日になれば切られてしまふこの胸を覚えておかむ湯にうつ伏せり 裕子 

p.38 ああ寒いわたしの左側に居てほしい暖かな体、もたれるために   裕子

p.60 助手席にいるのはいつも君だった黄金丘陵の陽炎を行く      和宏

p.64 歩くこと歩けることが大切な一日なりし病院より帰る
河野裕子『歩く』
p.75 今ならばまつすぐに言う夫ならば庇って欲しかった医学書閉ぢて
河野裕子『庭』
p.95 白木槿あなたにだけは言ひ残す私は妻だったのよ触れられもせず
河野裕子『葦舟』
p.103 この人を殺してわれも死ぬべしと幾たび思ひ行くたびを泣きし
永田和宏『夏・二〇一〇』
p.112 術後七年、障なき日はあらざりきほつりほつりと柿の花落つ
河野裕子『母型』
p.159 一日が過ぎれば一日減つてゆく君との時間 もうすぐ夏至だ
永田和宏『夏・二〇一〇』
p.165 わたしはわたしの歌のために生きたかり作れる筈の歌が疼きて呻く
河野裕子『蝉声』
p.169 白梅に光さし添ひすぎゆきし歳月の中にも咲ける白梅      裕子

p.176 この家に君との時間はどれくらゐ残つてゐるか梁よ答へよ
河野裕子『葦舟』
p.179 この桜あの日の桜どれもどれもきみと見しなり京都のさくら
永田和宏『夏・二〇一〇』
p.180 歌は遺り歌に私は泣くだろういつか来る日のいつかを怖る
永田和宏『夏・二〇一〇』
p.197 長生きして欲しいと誰彼数えつつつひにはあなたひとりを数ふ  裕子 

p.199 手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が
河野裕子の最後の一首(死の前日)

【今日の映画250】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『48時間PART2/帰って来たふたり(U-NEXTで視聴)
原題:Another 48 Hrs.
製作年:1990年
製作国:アメリカ
監督:ウォルター・ヒル
出演:ニック・ノルティ/エディ・マーフィ/ブライオン・ジェームズ/エド・オロス
ストーリー:取り引きの黒幕と目される正体不明のボス、アイスマンを追うサンフランシスコの刑事ジャック(ニック・ノルティ)は、かつて捜査に協力させた囚人レジー(エディ・マーフィ)がその鍵を握っていると知り、再び彼を引っぱり出すことに。バイクに乗った謎の集団に狙われながらも捜査を続けるジャックとレジー。やがて警察内部にアイスマンとつながる者がいるとにらむが・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.0、TSUTAYAは3.27、Filmarksは3.2で、私の評価は3.5とした。
 監督と主演コンビが再集結した痛快アクション第2弾。本作は当時のエディ・マーフィ人気もあり、全米でNo.1ヒットを記録。1985年『ビバリーヒルズ・コップ』、86年『ゴールデン・チャイルド』、87年『ビバリーヒルズ・コップ2』、88年『星の王子 ニューヨークへ行く』、89年『ハーレム・ナイト』に続く6年連続、6本目の全米No.1ヒットとなったとのこと。

【今日のジャズ250】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
アーティスト:Oliver Nelson
レーベル:Impulse/ユニバーサル ビクター/ワーナー パイオニア/WEAミュージック/MCAビクター
録音年月日:1961.2.23
曲名:@Stolen Moments/AHoe-Down/BCascades/CYearnin'/DButch And Butch/ETeenie's Blues
ミュージシャン:Freddie Hubbard (tp)/Eric Dolphy (as)/Oliver Nelson (as,ts,arr,comp)/George Barrow (bs)/Bill Evans (p)/Paul Chambers (b)/Roy Haynes (ds)
コメント:エリック・ドルフィー、フレディ・ハバード、ビル・エヴァンスといった精鋭が一堂に会し、オリバー・ネルソンのもとでさまざまなブルース表現を試みた野心的アルバム。ビッグ・コンボ編成ながらオーケストラをも凌駕しそうな分厚いサウンドもネルソンならでは。「ジャズはブルースに始まってブルースに終わる」という格言が真実だったということを教えてくれる。(『ジャズマンがコッソリ愛するJAZZ隠れ名盤100』から抜粋)
posted by ポピー at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 逃病日記