(22.1.29.土)曇り時々晴れ
最近、変形性関節炎に伴う膝関節の痛みが酷い。特に就寝中に目覚めて、トイレに行くために寝床から立ち上がるときの左膝関節の痛みがハンパではない。立ち上がるときには書棚に手を添えて立ち上がらなければならない。その後、左脚で第一歩を踏み出そうとするが、激痛で踏み出せない。
通院している整形外科医は、血流の関係と思われるので何回か脚を動かせばいい、と言っているが、そんなもんではないわいな。時期的に寒さのせいもあるのかもしれないが、以前より状態(痛み)は悪化してきているように思われる。起き上がった後に何回も脚を振ったり、壁に手を添えながら左足にそろっと体重をかけたりすると、多少、痛みは和らぐものの、以前のように痛みが消える、ということもなくなってきた。そんな感じで多少の痛みがあるのを我慢してトイレにいくが、トイレを終えて戻るときには、それまでの痛みは、ウソのようになくなってしまう。
最近は起床するときだけではなく、椅子から立ち上がるときにも痛みを感じるようになってきた。いよいよ覚悟を決めて手術、という時期になったのかもしれない。主病のがんや甲状腺機能疾患のことなどもあるので、可能ならK大病院での手術を希望している。ここは普段でも手術の待機患者が多いが、このコロナ禍で状況はどうなんだろう?K大病院の場合は、積極的にコロナ患者を受け入れているという情報や、特に病床が逼迫しているという話も聞かない。まして整形外科の場合には特に影響はないように思うが・・・。
いずれにしても、そろそろ、市中のクリニックでヒアルロン酸注射で症状をごまかしている時期ではなくなってきたようだ。主病のがんも「寛解」には至っていないが、現在は経過観察中で特に治療は行っていないので、膝関節の手術も可能だろう。来週の水曜日に整形外科医院に行ったときに、K大病院への紹介状を依頼してみよう。
(22.1.30.日)曇り時々晴れ
一週間が過ぎるのが速い。人間の時間感覚 ある人の特定の時間や期間に対する感覚 は、例えば1年なら、1年という期間をその人の年齢で割った期間がその人の1年間についての時間感覚ということだそうだ。そう言えば確かに、子供の頃は1年間というのはなかなか経たなかったように思う。1年間の時間感覚は、6歳の子供なら「1年/6」だし、還暦の人なら「1年/60」ということだが、その長さや短さの感覚的になんとなくわかるような気がする。
普段、土曜・日曜日は生活パターンを変えているが、それで「えっ!もう、あした土曜日、寅さんやんか」と思うことが多い。ちなみに、この「寅さん」とは映画『男はつらいよ』のことで、BSテレ東で毎土曜日の夕刻に放映されている。シリーズ単位で『釣りバカ日誌』と交互に入れ替えて放映されているが、1年または半年ごとの同じ繰り返しのパターンでもう何年続いているんだろうか、嫁さんがこの二つの映画シリーズが好きで、飽きずに繰り返し観ている。
まあ、だいたい、これと日曜日のNHKの大河時代劇で一週間の経過を知らされることが多い、その間隔が日に日に短くなってくる感じがする、いやだな〜ぁ・・・
【今日の読書214】※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
K-13『パムクの文学講義』
K-14『この30年の小説、ぜんぶ』
コメント:K-13『パムクの文学講義』を読み終えた。なかなか密度の濃い本だった。本書には、印象的な文章が目白押しだった
が、私たちが小説に対して抱いていた漠然としたイメージをこれほど的確に文章化してくれる書はめずらしい。これまで数回にわたって抜粋して掲載してきたが、今回は、第三講「キャラクター・プロット・時間」の章からだが、いい文章が多くて、なかなかセレクトしずらいために多くなってしまった。
p.50「小説を読むということは、その登場人物たちの目、頭、魂を通して世界を見ることを意味するからです。」
p.50「小説は私たちを風景のなかに招き入れます。私たちは主人公の視点から その感覚を通して、可能であればその言葉を通して 宇宙を見るのです。」
p.50-51「登場人物たちの目を通してみると、小説の世界は私たちにとってより近く、よりわかりやすく感じられます。小説芸術にその逆らいがたい力を与えているのは、この近さの感覚なのです。それでいて、最大の焦点は主要人物たちの人格や徳性ではなく、彼らの世界の性質です。主人公たちの人生、世界における彼らの位置、彼らの感じ方、見方、世界とのかかわり方 これこそが純文学の小説の主題です。」
p.51「(人物たちの)こうした様々な例をあげているのは、人生は困難で苦労が多いがゆえに、私たちは身のまわりの人々の習慣や価値観にたいして強い正当な好奇心を抱くのだということを意識してもらうためです。(中略)小説が性格をことさらに強調するのも、やはりこの人間的な好奇心のためです。」
p.58「小説の主要人物たちの個性以上に決定的なのは、周りの風景やできごとや社会的環境に彼らがどれほどしっくりはまっているかです。」
p.58「私の小説の主人公の性格は、人生において人の性格が形づくられるのと同じように決まります。つまり、彼が体験する状況やできごとによって決まるのです。ストーリーまたはプロットは、私が物語りたい様々な状況を効果的に結ぶ線です。主人公はこれらの状況によって形づくられる人物であり、状況をわかりやすく説明する助けになる人物でもあります。」
p.59「小説芸術の本質を明らかにするのは、主要人物たちの人格や性格というよりむしろ、その物語のなかの宇宙が彼らの目にどのように映るかです。」
p.59「小説芸術が政治性を帯びるのは、作者が政治的な見解を示すときではなく、私たちが文化や階級やジェンダーという点において自分とは異なる誰かを理解しようと努めるときです。」
p.60-61「小説芸術とは、他人のことであるかのように自分自身について語ったり、自分がその立場に身を置いているかのように他人いついて語ったりする技です。そして、他人のことであるかのように自分自身について語れる範囲に限界があるように、他人に同化できる範囲にも限界があります。」
p.61「私が小説を書く技を愛するもうひとつの理由は、自分の視点を超えて誰か別人になることを強いられるからです。」
p.63「小説に挑戦と深い喜びを感じるのは、主要人物のふるまいからその性格を推察するときではなく、自分の魂の少なくとも一部分において主人公に同化し、そうやって束の間であれ自分自身から解放されて他人になり、少しのあいだ別人の目から世界を見るときです。」
p.64「重要なのは個人の性格ではなく、世界の多種多様な形 色、できごと、果物や花、私たちの五官がもたらすすべてのもの への個人の反応のしかたなのです。」
p.65「小説芸術のもっとも特徴的な面は、主要人物たちが五官のすべてを使って感じるとるとおりに世界を見るということです。そして、私たちが遠くから眺める風景が彼らの目と感覚器官を通して描かれているがゆえに、私たちは彼らの立場に身を置き、深く心を動かされ、全体の風景を内側から体験した感覚として把握しようと、ある人物の視点から別の人物の視点へと切り替えます。」
p.65「主要人物たちの性格や魂が小説本来の主題ではないと言うためには、私たちは自分の頭の直感的な面を退け、自意識的・思索的なやり方で人物描写のしかけを明らかにしなければなりません。このしかけが、私たちが文学の登場人物を作りあげ、理解するための土台なのです。小説家は、自分が調べ、探究し、物語りたい題材と、自分の想像力と創造力の焦点としたい体験に合わせて主人公を造形します。」
p.66「ある特定の題材を探求したいという欲求が先にあります。あくまでもそれを踏まえて、小説家はその題材を解明するためにもっともふさわしいという人物を考え出すのです。」
【今日の映画214】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『鳥』(U-NEXTで視聴)
原題:The Birds
製作年:1963年
製作国:アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ロッド・テイラー/ジェシカ・タンディ/ティッピー・ヘドレン/スザンヌ・プレシェット
ストーリー:新聞社の社長令嬢メラニー(ティッピー・ヘドレン)は、ペットショップで知り合った弁護士ミッチ(ロッド・テイラー)に興味を抱き、彼を追ってボデガ湾沿いの港町を訪れる。その町で、メラニーは突然舞い降りてきた1羽のカモメに額をつつかれてしまう。翌日、ミッチの妹キャシーの誕生日パーティで、カモメの大群が子どもたちを襲う事件が発生。夜には無数のスズメがミッチの家に侵入し、その後も町のあちこちで鳥の大群が人間たちに襲いかかり・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.4、TSUTAYAは3.59、Filmarksは3.6で、私の評価は3.5とした。
突如として凶暴化した鳥の大群に襲われる人々の恐怖を描いた、アルフレッド・ヒッチコック監督による名作パニックスリラー。
特撮もあるんだろうが、「鳥」のしぐさや行動がほんとうにリアルな感じで、この手の、動物を使ったパニック映画では唯一無二の作品と言えるんじゃないだろうか。ガソリン・スタンドで男性がカモメに襲われるシーンがあるが、この男性は、鳥の調教師の人が出演しているそうだ。
ところで、前回の『めまい』でのヒッチコックおじさんの「チョイ出」だが、第2シーンで、ジェームズ・スチュワートが造船所の構内に入る前に、門の前を通り過ぎるおじさん 何か変な物を手に持っているおじさん がヒッチコックおじさんだと思うんだが・・・
さて、それでは、今回の『鳥』では、どこにヒッチコックおじさんが・・・
【今日のジャズ214】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
アーティスト:Bud Powell
レーベル:Roost/東芝EMI/EMIミュージック
録音年月日:1947.1.10/1953.9.
曲名:@I'll Remember April/AIndiana/BSomebody Loves Me/CI Should Care/DBud's Bubble/EOff Minor/FNice Work If You Can Get It/GEverything Happens To Me/HEmbraceable You/IBurt Covers Bud/JMy Heart Stood Still/KYou'd Be So Nice To Come Home To/LStella By StarlightBag's Groove/MMy Devotion/NStella By Starlight/OWoody'n You
ミュージシャン:Bud Powell (p)/Curly Russell (b)/Max Roach (ds)//Bud Powell (p)/George Duvivier (b)/Art Taylor (ds)
コメント:ブルー・ノートの『The Amazing Bud Powell Vol.1』と並んで、バド・パウエルの最高傑作と呼ばれている作品。この時期の彼は、天才肌のプレイに加えて汲めども尽きせぬ豊かな楽想によって、ジャズ・ピアノ史上有数の快演をいくつも残していた。中でも初のリーダー録音を含むこのアルバムは、収録された演奏のすべてがまばゆいばかりの輝きを放っている。ドライブを効かせた豪快なタッチがきらびやかな展開を示す。これはピアノ・トリオ作品の頂点を極めた一枚である。(『ジャズマンはこう聴いた!珠玉のJAZZ名盤100』から抜粋)
古い映像で画質も粗いが、YouTubeにバド・パウエルのライブの映像がアップされていたのでリンクを貼っておいた。