2022年01月30日

逃病日記324(22.1.30.日)

(22.1.29.土)曇り時々晴れ
 最近、変形性関節炎に伴う膝関節の痛みが酷い。特に就寝中に目覚めて、トイレに行くために寝床から立ち上がるときの左膝関節の痛みがハンパではない。立ち上がるときには書棚に手を添えて立ち上がらなければならない。その後、左脚で第一歩を踏み出そうとするが、激痛で踏み出せない。
 通院している整形外科医は、血流の関係と思われるので何回か脚を動かせばいい、と言っているが、そんなもんではないわいな。時期的に寒さのせいもあるのかもしれないが、以前より状態(痛み)は悪化してきているように思われる。起き上がった後に何回も脚を振ったり、壁に手を添えながら左足にそろっと体重をかけたりすると、多少、痛みは和らぐものの、以前のように痛みが消える、ということもなくなってきた。そんな感じで多少の痛みがあるのを我慢してトイレにいくが、トイレを終えて戻るときには、それまでの痛みは、ウソのようになくなってしまう。
 最近は起床するときだけではなく、椅子から立ち上がるときにも痛みを感じるようになってきた。いよいよ覚悟を決めて手術、という時期になったのかもしれない。主病のがんや甲状腺機能疾患のことなどもあるので、可能ならK大病院での手術を希望している。ここは普段でも手術の待機患者が多いが、このコロナ禍で状況はどうなんだろう?K大病院の場合は、積極的にコロナ患者を受け入れているという情報や、特に病床が逼迫しているという話も聞かない。まして整形外科の場合には特に影響はないように思うが・・・。
 いずれにしても、そろそろ、市中のクリニックでヒアルロン酸注射で症状をごまかしている時期ではなくなってきたようだ。主病のがんも「寛解」には至っていないが、現在は経過観察中で特に治療は行っていないので、膝関節の手術も可能だろう。来週の水曜日に整形外科医院に行ったときに、K大病院への紹介状を依頼してみよう。

(22.1.30.日)曇り時々晴れ
 一週間が過ぎるのが速い。人間の時間感覚  ある人の特定の時間や期間に対する感覚  は、例えば1年なら、1年という期間をその人の年齢で割った期間がその人の1年間についての時間感覚ということだそうだ。そう言えば確かに、子供の頃は1年間というのはなかなか経たなかったように思う。1年間の時間感覚は、6歳の子供なら「1年/6」だし、還暦の人なら「1年/60」ということだが、その長さや短さの感覚的になんとなくわかるような気がする。
 普段、土曜・日曜日は生活パターンを変えているが、それで「えっ!もう、あした土曜日、寅さんやんか」と思うことが多い。ちなみに、この「寅さん」とは映画『男はつらいよ』のことで、BSテレ東で毎土曜日の夕刻に放映されている。シリーズ単位で『釣りバカ日誌』と交互に入れ替えて放映されているが、1年または半年ごとの同じ繰り返しのパターンでもう何年続いているんだろうか、嫁さんがこの二つの映画シリーズが好きで、飽きずに繰り返し観ている。
 まあ、だいたい、これと日曜日のNHKの大河時代劇で一週間の経過を知らされることが多い、その間隔が日に日に短くなってくる感じがする、いやだな〜ぁ・・・

【今日の読書214※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
K-13『パムクの文学講義』
K-14『この30年の小説、ぜんぶ』
コメント:K-13『パムクの文学講義』を読み終えた。なかなか密度の濃い本だった。本書には、印象的な文章が目白押しだった
が、私たちが小説に対して抱いていた漠然としたイメージをこれほど的確に文章化してくれる書はめずらしい。これまで数回にわたって抜粋して掲載してきたが、今回は、第三講「キャラクター・プロット・時間」の章からだが、いい文章が多くて、なかなかセレクトしずらいために多くなってしまった。
p.50「小説を読むということは、その登場人物たちの目、頭、魂を通して世界を見ることを意味するからです。」
p.50「小説は私たちを風景のなかに招き入れます。私たちは主人公の視点から  その感覚を通して、可能であればその言葉を通して  宇宙を見るのです。」
p.50-51「登場人物たちの目を通してみると、小説の世界は私たちにとってより近く、よりわかりやすく感じられます。小説芸術にその逆らいがたい力を与えているのは、この近さの感覚なのです。それでいて、最大の焦点は主要人物たちの人格や徳性ではなく、彼らの世界の性質です。主人公たちの人生、世界における彼らの位置、彼らの感じ方、見方、世界とのかかわり方  これこそが純文学の小説の主題です。」
p.51「(人物たちの)こうした様々な例をあげているのは、人生は困難で苦労が多いがゆえに、私たちは身のまわりの人々の習慣や価値観にたいして強い正当な好奇心を抱くのだということを意識してもらうためです。(中略)小説が性格をことさらに強調するのも、やはりこの人間的な好奇心のためです。」
p.58「小説の主要人物たちの個性以上に決定的なのは、周りの風景やできごとや社会的環境に彼らがどれほどしっくりはまっているかです。」
p.58「私の小説の主人公の性格は、人生において人の性格が形づくられるのと同じように決まります。つまり、彼が体験する状況やできごとによって決まるのです。ストーリーまたはプロットは、私が物語りたい様々な状況を効果的に結ぶ線です。主人公はこれらの状況によって形づくられる人物であり、状況をわかりやすく説明する助けになる人物でもあります。」
p.59「小説芸術の本質を明らかにするのは、主要人物たちの人格や性格というよりむしろ、その物語のなかの宇宙が彼らの目にどのように映るかです。」
p.59「小説芸術が政治性を帯びるのは、作者が政治的な見解を示すときではなく、私たちが文化や階級やジェンダーという点において自分とは異なる誰かを理解しようと努めるときです。」
p.60-61「小説芸術とは、他人のことであるかのように自分自身について語ったり、自分がその立場に身を置いているかのように他人いついて語ったりする技です。そして、他人のことであるかのように自分自身について語れる範囲に限界があるように、他人に同化できる範囲にも限界があります。」
p.61「私が小説を書く技を愛するもうひとつの理由は、自分の視点を超えて誰か別人になることを強いられるからです。」
p.63「小説に挑戦と深い喜びを感じるのは、主要人物のふるまいからその性格を推察するときではなく、自分の魂の少なくとも一部分において主人公に同化し、そうやって束の間であれ自分自身から解放されて他人になり、少しのあいだ別人の目から世界を見るときです。」
p.64「重要なのは個人の性格ではなく、世界の多種多様な形  色、できごと、果物や花、私たちの五官がもたらすすべてのもの  への個人の反応のしかたなのです。」
p.65「小説芸術のもっとも特徴的な面は、主要人物たちが五官のすべてを使って感じるとるとおりに世界を見るということです。そして、私たちが遠くから眺める風景が彼らの目と感覚器官を通して描かれているがゆえに、私たちは彼らの立場に身を置き、深く心を動かされ、全体の風景を内側から体験した感覚として把握しようと、ある人物の視点から別の人物の視点へと切り替えます。」
p.65「主要人物たちの性格や魂が小説本来の主題ではないと言うためには、私たちは自分の頭の直感的な面を退け、自意識的・思索的なやり方で人物描写のしかけを明らかにしなければなりません。このしかけが、私たちが文学の登場人物を作りあげ、理解するための土台なのです。小説家は、自分が調べ、探究し、物語りたい題材と、自分の想像力と創造力の焦点としたい体験に合わせて主人公を造形します。」
p.66「ある特定の題材を探求したいという欲求が先にあります。あくまでもそれを踏まえて、小説家はその題材を解明するためにもっともふさわしいという人物を考え出すのです。」

【今日の映画214】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『(U-NEXTで視聴)
原題:The Birds
製作年:1963年
製作国:アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ロッド・テイラー/ジェシカ・タンディ/ティッピー・ヘドレン/スザンヌ・プレシェット
ストーリー:新聞社の社長令嬢メラニー(ティッピー・ヘドレン)は、ペットショップで知り合った弁護士ミッチ(ロッド・テイラー)に興味を抱き、彼を追ってボデガ湾沿いの港町を訪れる。その町で、メラニーは突然舞い降りてきた1羽のカモメに額をつつかれてしまう。翌日、ミッチの妹キャシーの誕生日パーティで、カモメの大群が子どもたちを襲う事件が発生。夜には無数のスズメがミッチの家に侵入し、その後も町のあちこちで鳥の大群が人間たちに襲いかかり・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.4、TSUTAYAは3.59、Filmarksは3.6で、私の評価は3.5とした。
 突如として凶暴化した鳥の大群に襲われる人々の恐怖を描いた、アルフレッド・ヒッチコック監督による名作パニックスリラー。
 特撮もあるんだろうが、「鳥」のしぐさや行動がほんとうにリアルな感じで、この手の、動物を使ったパニック映画では唯一無二の作品と言えるんじゃないだろうか。ガソリン・スタンドで男性がカモメに襲われるシーンがあるが、この男性は、鳥の調教師の人が出演しているそうだ。
 ところで、前回の『めまい』でのヒッチコックおじさんの「チョイ出」だが、第2シーンで、ジェームズ・スチュワートが造船所の構内に入る前に、門の前を通り過ぎるおじさん  何か変な物を手に持っているおじさん  がヒッチコックおじさんだと思うんだが・・・
 さて、それでは、今回の『鳥』では、どこにヒッチコックおじさんが・・・

【今日のジャズ214】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
アーティスト:Bud Powell
レーベル:Roost/東芝EMI/EMIミュージック
録音年月日:1947.1.10/1953.9.
曲名:@I'll Remember April/AIndiana/BSomebody Loves Me/CI Should Care/DBud's Bubble/EOff Minor/FNice Work If You Can Get It/GEverything Happens To Me/HEmbraceable You/IBurt Covers Bud/JMy Heart Stood Still/KYou'd Be So Nice To Come Home To/LStella By StarlightBag's Groove/MMy Devotion/NStella By Starlight/OWoody'n You
ミュージシャン:Bud Powell (p)/Curly Russell (b)/Max Roach (ds)//Bud Powell (p)/George Duvivier (b)/Art Taylor (ds)
コメント:ブルー・ノートの『The Amazing Bud Powell Vol.1』と並んで、バド・パウエルの最高傑作と呼ばれている作品。この時期の彼は、天才肌のプレイに加えて汲めども尽きせぬ豊かな楽想によって、ジャズ・ピアノ史上有数の快演をいくつも残していた。中でも初のリーダー録音を含むこのアルバムは、収録された演奏のすべてがまばゆいばかりの輝きを放っている。ドライブを効かせた豪快なタッチがきらびやかな展開を示す。これはピアノ・トリオ作品の頂点を極めた一枚である。(『ジャズマンはこう聴いた!珠玉のJAZZ名盤100』から抜粋)

 古い映像で画質も粗いが、YouTubeにバド・パウエルのライブの映像がアップされていたのでリンクを貼っておいた。
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2022年01月28日

逃病日記323(22.1.28.金)

(22.1.27.木)曇り
 ここ3ヶ月程度、ブログを更新する際に「ツイッターで共有する」ようにした。そうしたらブログのアクセス数が倍増どころか10倍近くに増えたので驚いている。そうなるとついつい、いい記事を書かなければなんて気にもなってきた。
 ツイッターは、ブログをアップしたときだけに限らず、ブログとは無関係にツイートするときも結構ある。そのときにツイートする内容は、フォローしているツイッターやネットニュースなどで見かけた記事に関係するものが多いが、まったく単独に日々の思いやヒラメキをツイートすることもある。内容としては、政治的なことからスポーツや芸能ネタに関することまで幅広くツイートしているが、やはりエッジの効いたツイートをするとインプレッション数をはじめとする数値が増える傾向にある。
 最近は、ブログとツイッターともども、文章の内容はもちろんだが、文章そのものの体裁にも気をつかうようになってきた。それとともにPC(MacBook Air)で文章を打つ場合には、左右5本の指を使って、ブラインド・タッチに近い感じでタイピングできるようになってきた。文章についても、「作る」から「創る」というような感覚になってきて、打ちながら、スッと適切なフレーズが思い浮かぶようになってきた。

(22.1.28.金)曇り時々晴れ
 当方のブログは、在職中に取得した社労士資格を退職後に活かそうと開業した際に、ホームページの作成に合わせて、『社労士雑記帳  ジャズ、映画及び読書並びに労働法の日々  』としてスタートした。
 当初は〈労働法〉に関心があり、その関係業務に携わるための唯一の資格(ただし、弁護士資格はオールマイティな資格として、司法書士、社労士等の全ての法律業務が可能)として取得した。
 しかし、〈労働法〉の本質は、「労働者保護」というよりも、資本主義社会において労働者を効果的に使用するツール  資本家の利潤を確保するためのツール  として機能しているんじゃないか、言い方を変えれば、資本家が〈剰余価値〉を含む労働の対価に見合った賃金を労働者に支給すれば、すべての「労働問題」は解決して、〈労働法〉が存在する意味もなくなってしまう、ということに考えが至り、〈労働法〉への興味と関心がなくなってしまった。しかし、まあ、社労士資格そのものは、当面、機会があれば無報酬の労働相談などをしてもいいかな、ぐらいに思って、そのままにしていた。
 その後、がんの発病など様々の経緯や理由で、ずっと社労士業は開店休業状態で放置してあったにもかかわらず、年間10万円近くの社労士会費は支払い続けていた。それもそろそろ止めようかと思っているが、そうなると「社会保険労務士」の称号は使えなくなるので、『社労士雑記帳』というブログの名称も変更しなければならないかもしれない。

【今日の読書213※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字
@-20『吉本隆明 最後の贈りもの』
@-21『吉本隆明代表詩選』
A-36『日本経済を学ぶ』
B-38『種の起原 上』(岩波文庫)
B-39『種の起原 上』(光文社古典新訳文庫)
B-40『宇宙創成 上』
D-6『わが小林秀雄ノート3 歴史の探求』
D-9『わが小林秀雄』河上徹太郎
E-20『犬は吠えるT ローカル・カラー 他』T.カポーティ
F-67『海辺のカフカ 上』村上春樹
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
コメント:@-20『吉本隆明 最後の贈りもの』を読み終え、次は、@-21『吉本隆明代表詩選』、本書は、2003年の『吉本隆明全詩集』(思潮社)の発刊を受けて、高橋源一郎、瀬尾育生、三浦雅士の三氏により、それぞれが推薦する代表的な詩を選び、併せて三氏の鼎談を収録したもの。だから厳密には「吉本隆明の著作」ではないのかもしれない。吉本隆明の詩集については、別途、同じ思潮社の『吉本隆明詩全集』全7巻を持っているので、どちらかといえば詩そのものよりむしろ三氏の鼎談を読みたくて購入したもの。吉本隆明の詩については、保坂和志『読書実録』で、詩人の吉増剛造が吉本隆明の詩をはじめとする著作を写経のように書き写している、という記述を読んだ。この筆記は、吉本隆明の『日時計編』から始めて現在は『言語にとって美とはなにか』を筆記しているとのことで、筆記する際は、ひらがなとカタカナをそれぞれ逆に変換して筆記しているそうだ。この「ひらがな→カタカナ/カタカナ→ひらがな」というように変換して筆記する作業は、「詩(言葉)が生まれるときの意識」の秘密に迫ることができるのかもしれないなぁ、私も試してみるかな・・・。
 D-6『わが小林秀雄ノート3 歴史の探求』を読み終えた。小林秀雄の側で、弟子のような、秘書のような役割を果たしていた著者による本だったので、小林秀雄のプレイベートな発言なども紹介されていて、類書にはない独自の存在と言える。次は、河上徹太郎の『わが小林秀雄』。著者は、小林秀雄と旧制一中の同級で、中原中也などとも連んだ仲で、『わが中原中也』などの著作もある。
 今回、読了した『わが小林秀雄ノート』や他の類書においても、小林秀雄を語る際には必ずと言っていいほど、この『わが小林秀雄』と中村光夫の『論考 小林秀雄』の記述に言及していることが多い。それで、ぜひとも読んでみたくなってAmazonで古書で購入したものだが、現在、Amazonのサイトを覗いてみると、前者は17000円以上の値が付いている。

【今日の映画213】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『めまい(U-NEXTで視聴)
原題:Vertigo
製作年:1958年
製作国:アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワート/キム・ノバク/バーバラ・ベル・ゲデス/トム・ヘルモア
ストーリー:刑事ジョン・ファーガソン(ジェームズ・スチュワート)は、逃走する犯人を追撃中に屋根から落ちそうになる。そんな自分を助けようとした同僚が誤って転落死してしまったことにショックを受けたジョンは、高いところに立つとめまいに襲われる高所恐怖症になってしまう。そのことが原因で警察を辞めたジョンの前に、ある日、旧友のエルスター(トム・ヘルモア)が現れる。エルスターは自分の妻マデリン(キム・ノバク)の素行を調査してほしいと依頼。マデリンは曾祖母の亡霊にとり憑かれ、不審な行動を繰り返しているという。ジョンはマデリンの尾行を開始するが、そんな彼の見ている前でマデリンは入水自殺を図り・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.6、TSUTAYAは3.65、Filmarksは3.8で、私の評価は3.5とした。
 ヒッチコックのこのあたりの作品になると、テレビなどでも何回も放映されているので、まったく初めて観るなんてことはないだろう。名作には違いないが、サスペンスやミステリーはやはり一度観てしまうと、面白さや驚きが半減してしまうのは否めない。
 ところで、前回の『サイコ』でのヒッチコックおじさんの「チョイ出」だが、ジャネット・リーが勤め先の事務所に入ると、その窓ガラスごしに、ウェスタン・ハットを被って道に立っているのがヒッチコックおじさんだな。
 さて、それでは、今回の『めまい』では、どこにヒッチコックおじさんが・・・

【今日のジャズ213】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
タイトル:Question And Answer
アーティスト:Pat Metheny, Dave Holland, Roy Haynes
レーベル:Geffen/ユニバーサル ビクター/ワーナー パイオニア
録音年月日:1989.12.21
曲名:@Solar/AQuestion And Answer/BH & H/CNever Too Far Away/DLaw Years/EChange Of Heart/FAll The Things You Are/GOld Folks/HThree Flights Up
ミュージシャン:Pat Metheny (g)/Dave Holland (b)/Roy Haynes (ds)
コメント:これまでにもパット・メセニーは何度かオーソドックスなジャズのアルバムを発表している。ただし、デイヴ・ホランドとロイ・ヘインズのトリオで吹き込んだこの作品ほど正面切ってスタンダードに挑んだものはなかった。それでもメセニーはメセニーである。ジャズの伝統的な要素を自分なりの解釈によって表現してみせることで、彼にしかできないジャズを聴かせてくれる。それも違和感をまったく感じさせないところに才能の発露が認められる。(『ジャズマンはこう聴いた!珠玉のJAZZ名盤100』から抜粋)
 同じ『珠玉のJAZZ名盤100』からジョン・マクラフリン(g)のコメント「誰の演奏かまだ思い浮かばないけれど、チャーリー・クリスチャンから影響を受けたギタリストだね。いやジム・ホールに強い影響を受けているかな?ギター・サウンドはジム・ホール的だね。いったい誰だい?パット・メセニーか。彼の名前は浮かんだんだが、スタンダード〈オール・ザ・シングル・ユー・アー〉を演奏しているから除外してしまった。サウンド的にはジム・ホールに近いものがある。たとえばベンディングのさせかたや、ナチュラルな響きを大切にした弾き方あたりに痕跡が認められる。あとは、フラッテッド・フィフスを使うやりかたもそうだ。これは、元を正せばチャーリー・クリスチャンの特徴だけれど。わたしはパットがこういうアルバムを作っているとは知らなかった。彼とはメキシコのコンサートで共演したことがある。パットは自分のサウンドを持っているから、一緒にやっていても非常に自由な気分になれる。自分の音を持っているミュージシャンと共演する場合は。こちらも自分のやりたいことをやればいい。相手に合わせる必要はない。お互いのものをぶつけることで何かがハプニングする。それが音楽の面白さのひとつだけれど、自分の演奏やスタイルに自信がないひとはどうしても相手に合わせてしまう。そうなるとこちらも非常にやりづらい。わたしはとくにギタリストとの共演が好きだ。同じ楽器との共演を好まないプレイヤーも多いけれど、わたしは逆だね。ギタリストと共演したほうが何か新しいことだできると考えている。パットもきっと同じだと思うよ。メキシコでのライブでも、彼はいつもとかなり違ったアプローチをしていたからね。このトリオも同じだ。ロイ・ヘインズとの共演なんて、普段なら考えられないはずだもの。だから、パットはいつもと違ったアプローチでプレイできたのだろう。それでも基本的なサウンドは彼らしさの出たものになっている。パットの名前があげられなかったわたしが言うのも何だけれど(笑)、この演奏はやはり彼ならではのものだ。何を弾いても、どこかで自分を出せる。これがミュージシャンにはとても大切なことだ。」

 YouTubeにパット・メセニーのライブの映像がアップされていたのでリンクを貼っておく。
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2022年01月26日

逃病日記322(22.1.26.水)

(22.1.24.月)曇りのち晴れ
 今日は午後から、久しぶりに太陽の日差しを浴びることができた天気だった。
 それに誘われて、恵文社まで、いつもとルートを変えて距離を増やしてウォーキングしてきた。帰宅してスマホの万歩計をみると、ちょうど高野川堤を出町柳まで往復したぐらいの距離を歩いたことになる。この頃、少し体重が増え気味で、常時80kgを超えているので、少し絞らねければアカンし、それと恵文社で買いたい本もあったので、ちょうどよかった。
 恵文社では、先日、新聞の書籍広告で目に留まっていた本(下記 A)が平積みであったので、それも併せて購入した。
 @は、訳者が村上春樹氏と対談本などを出している柴田元幸氏、それから何冊か著作を読んだことのある斎藤兆史氏との共訳だったで購入した。
 Aの著者中井久夫氏は、専門分野である精神医学の分野での業績はもとより、西欧の詩文学にも造詣が深く、『現代ギリシャ詩選』やヴァレリー『若きパルク/魅惑』の翻訳などでも知られている。
 また、彼の指導した精神科医 安 克昌さん  阪神・淡路大震災の時に「心のケア」のパイオニアとして活躍され、その後、肝細胞癌で39歳の若さで亡くなられた。  の著作集『心の傷を癒すということ』に収録されている「追悼の辞」は、安さんの葬儀の際に中井氏が葬儀委員長として述べられたものである。
 なお、この安 克昌氏の『心の傷を癒すということ』は、この著作を原作として2020年1月にNHKで放送されたドラマを観て、購入したもの。中井久夫氏については、文学に精通した精神科医として以前から名前は知っていたが、この「追悼の辞」で初めて氏の文章に出会った。何事も、きっかけやアクセス・ルートはいろんなところにあるるもんだ。
 @『小説の技巧』デヴィット・ロッジ/柴田元幸/斎藤兆史共訳(白水社)
 A『私の日本語雑記』中井久夫(岩波現代文庫)

(22.1.25.火)晴れのち曇り
 今日は、午前中、天気が良かったので、昼からヨメさんと植物園でも行こうかと話していたが、昼になったら太陽が見えなくなり、おまけに少し寒そうになってきた。それで植物園行きはキャンセルとなった。
 それで、いつものように、自室のロッキング・チェアでの読書三昧ということになった。

(22.1.26.水)曇り時々晴れ
 今日は、天気が良かったので、久しぶりにヨメさんと高野川河原などをウォーキングしてきた(昨日は、天気がイマイチだったのでキャンセルしていた)。
 出町柳まで行って、河原から川端通りに出て、川端一条のホームセンターD2に立ち寄った。その後、川端通りを東一条で左折し、少し西に入ったスーパーのライフを覗いてから東一条通りを西進、東大路通りへ出て東一条の京都大学前のバス停から市バスに乗って帰宅した。万歩計を見たらトータル約5500歩で約4.1km歩いていたことになる。
 今日、京都でもコロナ感染者が2000名を超えた。重症化しないといわれているオミクロン株だが感染力が半端じゃない。
 友人が専務理事兼事務局長を務める一般社団法人(当方は評議員)の2月5日に開催予定の会合・表彰式に出席を要請されていたが、さすがに出席をキャンセルしておいた。
 緊急事態宣言が出ない限りは開催する意向のようだが、オミクロン株ということで従来とは状況が異なるので、感染者数増加の指標だけでは緊急事態宣言はなかなか発令されないように思われる。しかし感染者が2000名を超える状況では、その会合・表彰式の出席者の大半が高齢者ということを考慮すると、開催は無理ではないかという気がする。

【今日の読書212※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字
@-20『吉本隆明 最後の贈りもの』
A-35『マクロ経済学を学ぶ』
A-36『日本経済を学ぶ』
B-38『種の起原 上』(岩波文庫)
B-39『種の起原 上』(光文社古典新訳文庫)
B-36『宇宙を織りなすもの 下』
B-40『宇宙創成 上』
D-6『わが小林秀雄ノート3 歴史の探求』
E-20『犬は吠えるT ローカル・カラー 他』T.カポーティ
F-66『スプートニクの恋人』
F-67『海辺のカフカ 上』村上春樹
G-11『失われた時を求めて11』
H-3『パンセT』
コメント:A-35『マクロ経済学を学ぶ』を読了した。新書本だがマクロ経済に関する各事象が、非常に分かりやすく記述されていて、なかなかいい本だったように思う。次は、同じ岩田喜久男氏の『日本経済を学ぶ』。
 B-38『種の起原 上』を読み進めているが、訳文が少し古臭く、また訳語も適切ではないように思う。  一例を挙げると、全編を通じて、「自然界における一定の秩序の下にあるエリア」を指すと思われる概念を「自然の国家」と訳している。アナロジーだったとしても不適切だろう。ちなみに光文社古典新訳文庫版では同概念を「自然界の経済秩序」と訳している。  それで、以前、買っていた光文社古典新訳文庫版のB-39『種の起原 上』を併読していくようにした。
 B-36『宇宙を織りなすもの 下』も読み終えた。上下巻を合わせて千ページを超える本だったこともあり、また、難解というか、日常的に慣れ親しんでいない概念や、ニュートン物理学の常識的な感覚に馴染まないような事象などが多く取り上げれれていることもあって、かなりの時間を要してしまった。前回のブログで、本書の著者ブライアン・グリーンの『時間の終わりまで』が朝日新聞『読書』欄で紹介されていたことを紹介し、すでに購入済みと書いたが、当分はツンドクになりそう。次のこのカテゴリーの読書は、サイモン・シンのB-40『宇宙創成 上』で、本書では、前書のように宇宙論の最先端の「ひも理論」まではいかずに「ビッグ・バン」までということのようだ。
 F-66『スプートニクの恋人』を読了した。『スプートニクの恋人』に関しては、なんか印象的というかバタ臭いというか、そんな〈喩〉が目についたので、全編にわたって取り上げてみた。次は同じ村上春樹の『海辺のカフカ 上』を読み始めた。いまのところ、〈喩〉は気にならないが、村上春樹の長編によくある、一見は無関係に思われる複数の話が同時進行するパターンで、まだ読み始めたばかりなので展開が読めない。どこに行き着くんだろうか。
 上記のほか、@-20『吉本隆明 最後の贈りもの』や D-6『わが小林秀雄ノート3 歴史の探求』もそろそろ読み終わる。重なるときには重なるもんだ。
 一方で、大岡昇平の E-17『成城だよりV』や I-24『読書の日記』、電子ブックの L-4『吾輩は猫である』などが取り残されたような状況。I-24『読書の日記』は千ページ以上もありかつ中身も冗長なので仕方がないが、他の二つはピッチを上げていこう。

【今日の映画212】※データは『映画.COM』のサイト等から入手
邦題:『サイコ(U-NEXTで視聴)
製作年:1960年
製作国:アメリカ
原題:Psycho
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:アンソニー・パーキンス/ジャネット・リー/ベラ・マイルズ/ジョン・ギャビン
ストーリー:不動産会社に勤める女性マリオン(ジャネット・リー)は恋人サム(ジョン・ギャビン)との結婚を望んでいたが、サムは元妻への慰謝料の支払いに追われ再婚を渋っていた。そんな中、会社の金4万ドルを銀行へ運ぶことになった彼女は、出来心からその金を持ち逃げしてしまう。サムの元を目指して車を走らせるマリオンだったが、大雨で視界が悪くなり、偶然見つけた寂れた宿「ベイツ・モーテル」でひと晩を過ごすことに。そこで彼女は、宿を1人で切り盛りする青年ノーマン(アンソニー・パーキンス)と出会うが・・・
コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.8、TSUTAYAは3.71、Filmarksは3.8で、私の評価は3.5とした。
 アルフレッド・ヒッチコック監督によるサイコサスペンスの古典的名作だが、おそらく多くの人は本作品を複数回観ているんではないだろうか。そして、これほどネタバレするとサスペンス感が半減する作品もないじゃないか。だから、一度、観たことがあって、主人公の「サイコ」の実態を知ってしまうと、初めて見たときに感じた恐怖感や意外性、「へェ〜!」という驚きなどの思いを味わうことはできなんじゃないかなぁ、今回観て、そう思った。
 ところで、前回の『北北西に進路を取れ』でのヒッチコックおじさんのチョイ出だが、冒頭のクレジット・タイトルの直後、ドアがピシャリと閉まって、バスに乗り遅れるのがヒッチコックおじさんだな。
 さて、それでは、今回の『サイコ』ではどこに・・・

【今日のジャズ212】※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手
タイトル:After Midnight
アーティスト:Nat King Cole
レーベル:EMIミュージック/Capitol
録音年月日:1956.8.15/1956.9.4/1956.9.21/1956.9.24
曲名:@Just You, Just Me/ASweet Lorraine/BSometimes I'm Happy/CCaravan/DIt's Only A Paper Moon/EYou're Looking At Me/FThe Lonely One/GDon't Let It Go To Your Head/HI Know That You Know/IBlame It On My Youth/JWhen I Grow Too Old To Dream/KRoute 66
ミュージシャン:Nat King Cole (p,vo)/John Collins (g)/Charlie Harris (g)/Lee Young (ds)/Harry "Sweets" Edison (tp)/Willie Smith (as)/Juan Tizol (v-tb)/Stuff Smith (vln)
コメント:ポピュラー・シンガーとして一世を風靡したナット・キング・コールだが、本格派のジャズ・シンガーとしても優れた実力の持ち主だった。そのことを改めて教えてくれたのが、人気スターとなったのちに吹き込まれたこの作品だ。〈スイート・ロレイン〉〈ルート66〉〈イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン〉など、魅力いっぱいの弾き語りを聴かせてくれる。(『ジャズマンはこう聴いた!珠玉のJAZZ名盤100』から抜粋)

 YouTubeにナット・キング・コールのライブの映像がアップされていたのでリンクを貼っておく。
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